ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

気になるワード、QEEGってなーんだ?!

初めて知る単語、QEEG


SNSで今日知った単語、それはQEEG。

Quantitative EEG(Eletcric Encephlography)、定量的な脳波検査のことのよう。

日本でもすでに自閉スペクトラム症の診断に用いられている施設があるようです。


まだ一般的なものではないと思いますが、ちょっとどんなものなのか知りたくなって論文にあたってみました。


いくつか論文が見つかりました!


PubMedで検索していくつか気になる論文が見つかったのですが、今日ザクザクッと読んでみたのはこちら。


On the Application of Quantitative EEG for Characterizing Autistic Brain: A Systematic Review (Front Hum Neurosci. 2013; 7: 442)


よくわからない数式(おいおい)が出てきたりしてとっても難解でしたが、今日の時点で私が理解できたことといえば、

  • 普通に脳表面に電極をつけて記録した脳波を周波数帯(δ波、θ波、α波、β波)に分けて平面上にマッピングしたもの
  • 通常の脳波同様、開眼時・閉眼時や何らかのタスク(視覚課題や手を動かす課題など)実行時にも記録することができる
  • 脳のどのあたりに連動して同じ周波数帯の波が伝わるかを見ることができる
  • 自閉スペクトラム症に関しては、開眼時・閉眼時、母親や赤の他人の写真を見せたり手を動かしたりするなどの課題実行時などさまざまな条件でQEEG測定した結果が論文で発表されている
  • 自閉スペクトラム症の中でも、孤立型・受動型・積極奇異型等サブタイプによってQEEGの結果が違う(左右差など)ことも示唆されている
  • QEEGの結果と、行動特性の関連を示唆する研究グループもある


…とまぁ、こんなところでしょうか。


まだ一般的な診断ツールとは言えなさそうですが


少なくとも今日読んだ論文だけでは自閉スペクトラム症を診断するためのツールとして一般的ということではなさそうです。

ただ、本人の動的な脳活動の状態を非侵襲的に記録することができるQEEGを用いて、左右の脳の働きかたのアンバランスを視覚化できたり、治療的介入の結果脳活動(の連動性)の変化を確認したりする面ではこれからもっと有効活用されていくことになるかもしれません。


脳の使い方の左右差や利き側の重要性については、他の書籍でも散々強調されていることですし、そりゃ脳の活動にだって左右差は出てくるでしょ、とそこは素直に納得できます。



特に「薬に頼らず家庭で治せる発達障害とのつき合い方」では、よく働く側の脳ばかり使わず反対側の脳を活性化させてバランスを取ることの重要性が説かれていたので、介入して左右差が薄まればそれはきっと介入が有効だったということの指標になりそうですよね。

薬に頼らず家庭で治せる発達障害とのつき合い方

薬に頼らず家庭で治せる発達障害とのつき合い方


まだ身近な医師たちからQEEGの話は聞いたことがないので、このキーワードを忘れずに関心をもってフォローしたいと思います。

子どもの発達と感覚統合:第9章 自閉症児

自閉症児と感覚統合療法


感覚統合本のひとり読書。

おしりに火がついたので、このままがんばって読みたい!!


子どもの発達と感覚統合

子どもの発達と感覚統合

  • 作者:A.Jean Ayres
  • 発売日: 1982/07/01
  • メディア: 単行本


今日もはりきってGO!


第9章 自閉症


・感覚統合療法士は、一般的には他の脳障害児と比較すると自閉症児に対する経験はそれほど多くない。年少児で、改善はあっても緩徐か、全く改善しない子もいた。それでも感覚統合は自閉症児の脳の奇行に少なからず意味のある変化をもたらすことはできる。


自閉症児は通常、行為障害児同様、触覚の弁別や運動企画に非常な問題を持っている。姿勢反応の発達は不十分だが、学習障害児よりはよい。


自閉症児の感覚処理過程の問題には三つの側面がある。

一つは感覚入力が子どもの脳に正確に登録されていないためほとんど注意が払われない、または過剰に反応してしまう。

二つ目は特に前庭覚と触覚の感覚入力を十分調節できず、重力不安や感覚防衛を見せること。

三つ目は子どもが特に新しいことや違ったことをしたがるように仕向ける脳部位が正常に働いておらず、目的にあることや建設的なことにほとんど興味を示さないこと。


・どの感覚入力を登録し私たちに注意を喚起するか、その情報に対してどんな行動をとるかを決定する大脳辺縁系という部位が自閉症児では十分に機能していないため、誰も気付くような多くのことが登録されない。この部位の機能が重度に侵されているほど感覚統合療法の効果が下がる。聴覚入力と視覚入力は他の感覚刺激より無視されやすい脳は重要な資格情報とそうでないものを容易に区別できないほとんどの自閉症児は動く縞模様に強く注意をひかれる。視動性眼振を活性化し、前庭覚を刺激する。

自閉症児は他の感覚の登録にも問題を持っている。非常に鈍感なこともあるが、触覚などに過敏な反応する子もいる。


自閉症児は目や耳を通してより筋肉や関節からの感覚入力を多く感じる。皮膚への強い圧迫も自閉症児に好まれる触覚刺激だ。


自閉症児は動きや前庭刺激を求めるか、全く拒否するかで、どちらの反応も正常ではない。ほとんどの子は昼間開眼で検査すると回転後眼振の持続が短い。前庭感覚のための一つの重要な連絡路が十分使用されていないことが示唆されるおそらく前庭核を抑制しすぎている。眼振が短いと重力不安を示す。自閉症児たちは一つのことから次のことで首尾一貫してできるような効率的な脳を持たない。


・適切な動機付けがあれば自閉症児は感覚入力を登録しやすくなる例えば前庭刺激を伴う身体運動を行っている途中やその終了後は治療者の目を長く見る傾向がある。


・新しいものや環境は、見慣れた安全なものとして認識できるようになるまで怯えたり抵抗したりする対象になりやすい。


・聴覚入力の登録も非効率的、言語知覚の確率にも制限がある。同様に、触覚・固有受容覚・前庭覚からの感覚統合の正常な登録なしでは適切で明確な身体知覚を発達させることはできない。自身の感覚も外界との相互作用も難しくなり、運動企画を学ぶことも自我発達に必要は身体的基礎も剥奪される。


・「それをしたい」と思うシステムが自閉症児ではよく働いていない。合目的的、建設的ではなく、単純な繰り返し活動で終わる。靴下を履くなどもさせるのは難しい。また、三輪車を見てもサドルに座ってペダルを回すと動くという抽象的推測が難しく、楽しみに感じられないため三輪車に乗せようとすると抵抗する。スクーターボードなども見るだけでなく自分の触覚や固有受容覚、動きなどを通して自己の身体の位置や動きを感じることが必要。数回経験すると笑顔が出ることすらある。治療者も両親も、子どもが活動を受け入れる準備ができるまで耐える必要がある。学習障害児のように内的欲求に依存するわけにはいかない。治療を通して前提刺激を心地よく楽しいものにするまでには、さまざまな動きや体位変化を与える活動に抵抗されることが予想できる。


自閉症児に対する感覚統合療法の目的は、中枢における感覚勝利過程を改善して、より多くの感覚が効率的に登録され調整され、自己の行動の組織化を助ける手段として簡単な適応反応の形成を促進していくこと。まだ大きな効果は期待できないが、感覚経験を通して脳に到達する方法を発展させていく必要がある。


ひとりごと

文章の難解さや読み進めにくさは少なかったけれど、自閉症特性に対する感覚統合療法の効果はあくまで控えめに記述されていました。この邦訳が出てから約38年経つので、このあとずいぶん現場での経験は蓄積されてきているのだろうとは思いますが。

ベースを押さえた上で、最近の知見にも触れてみたいものだと思いました。

ふと、自分の過去を振り返ってみる。

Kindle本を書いてから考えていること


初めてのKindle出版をしてみよう、と思い立ったのが今年の5月8日。

Amazonで発売開始に至ったのは6月22日。

おかげさまでたくさんの方に読んでいただいています。ありがとうございます♥



内容は、日頃診察室で話していること


児童精神科って

  • 実際に通っている人の経験談を聞きにくい
  • 予約してもなかなか診てもらえない

ために、敷居の高い得体の知れない場所になってしまっているなぁ…と感じていたので、もっとカジュアルに受診していただけるように(あるいは「そんなんだったら受診しなくてもいっか」と思っていただけるように)一体どんなものか少しでも知っていただきたくて書いたのがこの本。


予約から初診までの章は、実際に予約の電話をくださったお母さんにお電話口で私や元同僚がよく説明させていただいていた内容だし、診察が始まってから終結までの章も診察室で実際にお母さんから質問されたことにお答えしていた内容を書いてみました。


書いてみて気づいたのですが…


なので、私にとっては、ここに書いたことはごくごく日常の診療の姿。

でも、それを一歩引いて改めて自分で読んでみると…、

私って、医師のプライド持ってなさすぎじゃない?!

って、ちょっと思えてきました。


実際、文中にも「こんなこと言ったら他の医師からお叱りを受けるかも」みたいな件が何カ所か登場するんですけどね。


まぁ、本の中だけ「医師っぽく」気取ってみても仕方ないので、素の臨床姿勢を晒したことには何の後悔もないのですが、じゃあどうして今みたいな姿勢になったのかな…と振り返ってみると、思い当たることがいろいろ出てきて自分でもなんだか面白くなってきました。


子どもが成長する過程で人格形成されていくのと同じように、私もこういうことがあって医師としての人格が作れられていったのかな…って。


きっとみんなそうなんですよね。

会社勤めの営業さんも、自営業のコックさんも、大人になるまでに、そして仕事を始めてからもいろんなできごとがあって、今のお仕事の姿勢に辿りついてるはず。


そんなことを改めて考える機会が持てたことはある意味貴重だったかもしれません。

みなさんも「どうして今、自分はこんな姿勢で物事に取り組んでいるんだろう?」って考えてみたらきっといろいろな発見があって面白いと思うので、お時間のあるときにぜひ振り返ってみてくださいね。

オススメです♪

子どもの発達と感覚統合:第8章 視知覚と聴覚言語障害

視知覚と聴覚言語障害


感覚統合本のひとり読書。

またまた間が空いてしまいましたが、なんとか再開!


子どもの発達と感覚統合

子どもの発達と感覚統合

  • 作者:A.Jean Ayres
  • 発売日: 1982/07/01
  • メディア: 単行本


今日もはりきっていきましょう!


第8章 視知覚と聴覚言語障害


・今日の教育は読み計算の基本となっている知覚処理過程の発達を促すようには考えられていない。子どもはすでに知覚的基礎ができていると仮定して教育が行われる。社会が教員にに「子どもがもっと読めるように」と圧力をかけると、学校ではより早い時期から読みの教育を始めることで対処しようとする。


・感覚統合療法が子どもの視覚処理過程を改善するまで読みの指導を先延ばしにすることは、長い目で見るとよりよくより早く読み学習ができることにつながる。


・視覚と聴覚の処理過程は重要だし、言語機能の発達は教育や治療の大きな目的。なのに感覚統合療法士がこれらの機能にほとんど注意を払わないのは、治療者がこうした脳機能は基本的な側面の最終的産物と考えているから。


・私たちの身体的行為の全ては私たちが占有している空間との関連の中で怒る前庭系や目や首の感覚の処理過程のうち、どんな障害があってもおそらく知覚は異常きたすであろう


・私達は適応反応やその結果生じる感覚入力を通して、空間を知覚したり自己とその空間との関係を学習する。視覚と運動の処理過程を統合するには受動的な経験だけでは不十分で、能動的な動きを自ら決定する必要がある。


・進化の過程を考えると魚類両生類にとっては視知覚は動いたものを見る能力以外の何者でもなかった。餌や外敵の動きを見るため。

・爬虫類では効果的に動き回るのに必要な空間知覚の能力が進化した。物にぶつからない、略奪者から逃げる、絶好の隠れ場所を見つけるため。

・初期の哺乳動物は森の中であらゆる方向を見なければならなかった。樹上生活は視覚を発達させた。霊長類は中心窩(視神経周辺)と大脳皮質を含むより高次の視覚処理過程を進化させた。しかし最初に脳幹と大脳半球の下位レベルが全体的な知覚像を構成しなければならない。


・視覚過程の進化も、全身運動と前庭覚・触覚・固有受容覚の統合のように古くてより基本的なプロセスの上に進化してきた。感覚統合療法は脊椎動物がたどってきた進化の過程と同じ方法に従っているなぜならば脳はこのような発達過程を踏むように作られているからだ。


・人には視覚入力を処理する二つの脳活動がある。一つは脳幹、もう一つは大脳半球。

脳幹レベルでは前庭入力、目、首、身体からの固有受容覚、そして視覚入力が、一つの統合された感覚プロセスとなる。

脳幹で処理された視覚刺激の一部は、その細部や背景との関係を細かく見るため大脳半球へ送られる。細部を見るのに適切な中心化へ焦点を当てるには、前庭覚や固有受容覚が音を滑らかに動かすように正しく統合されていなければならない。大脳皮質の視覚野が前庭系や筋肉、関節、皮膚と良い連絡が取れていなければ視覚弁別に障害が現れるだろう。


・視知覚に問題を持つ子どもの感覚統合療法は、前庭覚・固有受容覚、視覚(脳幹と大脳皮質)が一緒に働くようにしていかなくてはならない。頚筋は視知覚に重要な役割を果たすことを強調する必要がある。腹ばいになって重力に抗って頭を上げているとき、筋収縮がたくさんの固有受容覚の刺激を引き起こし、この感覚入力が視覚入力の処理を助けるため脳幹に行く。子どもが動くと前庭刺激が加わり、視知覚を助ける。なので、感覚統合療法に用いる多くの活動は、子どもが動きとき腹這いにして行う。


・障害が脳幹レベルにあれば、感覚統合療法の効果は顕著だろう。感覚統合が促進されても視覚障害があるようなら目の筋肉の働きを助ける視能訓練士から訓練を受ける必要があるだろう。


視覚障害のチェックリストは

  • 積み木を上手に積めない、パズルを組み合わせられない
  • 縁石や階段の昇降を嫌がる
  • すぐ道に迷う、なので見知らぬ場所にいるのを嫌がる
  • クレヨンや鉛筆でうまく線が引けない
  • 模様や図案の相違点を認識するのに問題がある
  • 複雑な背景の中から特定の形を見つけるのが困難
  • 線と線の間や適切なスペースに文字を書くのが苦手


・聴覚系は前庭系と密接な関係がある


話し言葉は身体全体の運動企画と同じ者が求められるので、話し言葉に問題がある子が発達性行為障害を合併することが多いのは理解できる。行為障害のある子どもが感覚統合と運動企画を改善する目的で感覚統合療法を行うと話し言葉の発達を促進するのも理に適っている。聴覚入力も話し言葉の企画も助ける。


話し言葉や言語は感覚統合の最終産物のひとつなので、感覚統合療法の効果を判断するために言語と話し言葉のアセスメントが用いられる。


・脳幹レベルで、聴覚入力の主要なセンターである核は、前庭覚・固有受容覚・触覚・振動覚の入力と連結している。


・脳幹での感覚統合を促進することは、大脳半球が読みで求められる言語能力を克服することを助けることになる。2:6-3:0までに話し言葉の発達がみられなかったら、感覚統合療法の訓練を受けた治療者に検査してもらうべき。


ひとりごと

だいぶん間が空いてしまいましたが、挫けず再開しました。

見ることも聴くことや言語の発達も、感覚統合の頂点にあると考えたほうがよさそうですね…学習の問題に直接取り組む前に身体に働きかける、を大原則にしたいと思います。

子どもの注意や行動の障害を治す:確証のための情報確証のための情報(3)症例紹介(症例10-13)

ひとり読書会、症例紹介が続きます。

1日5ケース読みたいと思っていましたが、やっぱり4ケースでお腹いっぱいって感じになりますね。

慌てず焦らず、110ケースの詳細をじっくり読んでいきます。


読んでいるのは、こちらの本です。


確証のための情報(3)症例紹介(症例10-13)


・(10) S.B.:1970年11月生まれ、初めて会ったのは1973年5月。診察前の6週間はほとんど寝ていなかった。生後、重度の疝痛があり、乳製品アレルギーであることが判明た。彼女は生まれた時から多動的で、11ヶ月から歩いたり走ったりしていた。彼女は1歳半で話すようになった。その後、彼女はミルクに戻されました。私は彼女の両親に乳製品と砂糖の両方を排除するようにアドバイスし、ナイアシンアミド1日1g、アスコルビン酸1日1g、チアミン1日150mg、ピリドキシン1日200mgを追加した。3日後、彼女はお菓子の要求、かんしゃくと多動性によって母親を恐怖に陥れた。私はリタリン1日10mgを追加し、少量のお菓子を許可した。しかしリタリンを飲むたびに彼女は2時間も悪い状態となった。1973年7月5日、私は彼女にナイアシン1gを1日3回とピリドキシン1日250mgを開始した。1973年10月11日まで彼女は正常だったが、風邪はよくひいていた。私はアスコルビン酸2gとオヒョウ(大型のカレイらしい…)肝油1カプセルを追加した。彼女の多動性スコアは1973年5月23日の81→1973年10月11日には29に減少。彼女の評価は1111(4)-正常、であった。


・(11) L.B.:1967年2月生まれ。彼女が3歳半の時、彼女は裏道に隠されていたLSDを含むいくつかの錠剤を見つけた。数時間のうちに非常に不穏になり、奇妙で運動失調もみられ、はっきりと話すことができなくなった。瞳孔は拡張し、非常に多動だった。2日間入院して重度の鎮静剤を投与された。その病院は、数年前に私がナイアシンLSDに対する優れた解毒剤であると発表した調査結果を知らなかった。彼女は幻覚を見ているように見えた。それ以来、彼女は多動的で、活発で、過敏で、他の子どもたちとうまくやっていくことができず、問題になった。彼女は幽霊や黒い怪物を見ていると言った。物が歪んで見えたり、鉛筆の先が顔のように見えたり、上着を脱ぐと腕が毛むくじゃらで男のように見えたりした。声も聞こえた。この幻覚剤の効果を経験した者なら誰でも彼女に共感できるだろう。私は1日1回、ナイアシンアミド1gとピリドキシン250mgを服用させた。5週間後、状態はよくなり、ほとんどの幻視は消え、10日間幻の声も聞かなくなった。ナイアシンアミドは吐き気を引き起こすため半量しか服用できなかった。それから私は彼女にナイアシン1gを1日3回投与し始めた。4ヶ月後、彼女はほぼ回復した。彼女は時々落ち着きがなくなり、少し偏執的になっていた。さらに2ヶ月後、彼女は元気になった。1973年7月、ジョン・ホッファーが彼女に幻覚があるのに気づいた。彼女が目を閉じると、都市、魔女、そして恐ろしい画像が見えていた。彼女の母親は、娘はもうよくなったと思い、まだ幻視があることに気づかず、2ヶ月前にすべてのビタミンをやめていた。彼女の多動性スコアは1972年2月20日に77→1973年8月7日の37に減少した。彼女の評価は0111(3) - かなり改善であった。


・(12) E.B.:1960年4月生まれ、E.B.の初診は1971年4月。1966年3月、彼は言語障害のため小児外来に連れて行かれた。彼は正常知能の範囲内で、少し落ち着きがなかった。1年後、クリニックでは彼には何の問題もないと結論づけ、賑やかな健常児を我慢できず彼に愛情を示せていないと言って母親を非難した。当然だが、母親はクリニックに戻ることを拒否しました。4月になると、エリックは他の生徒と仲良くできない、からかわれすぎる、家では退屈していると訴えた。母親は、学業成績の悪化や、彼の嘘や気性の暴走を心配していた。彼は自分の精神状態をよく説明してくれた。知覚:恐ろしい悪夢や予言的な夢の反復に苦しい、ギターを弾くとき特に頻繁に自分の名が呼ばれるのを聞いた、彼を殺すことについて話し合う人々のおしゃべりや彼に話し掛ける声が聞こえ、非現実的に感じていた。彼はしばしば頭の中に別の人がいると感じていた。思考:彼はしばしば自分のことを、自分が生きているときに何が起こったかを夢で見ている骸骨だと思っていた。子どもたちは彼について話し、彼を笑い、からかい、スパイしていた。彼の記憶力と集中力は悪く、途絶していた。気分:彼は悲しくて、生まれてこなければよかったと思うこともしばしばあった。私はナイアシンアミド1gを1日3回、アスコルビン酸1gを1日2回彼に投与し始めた。1ヶ月後、彼は改善した。私は、変化を促進するためにビタミンB3の量を増やしたかったので、ナイアシン1gを1日3回追加したが、後にイノシトールナイアシンに変更しなければならなかった。彼はゆっくりと改善し続け、1973年4月に私は1日3回各3gのナイアシンを増やし、非経口ビタミンB群も毎週1回開始した。1973年7月までに彼ははるかによくなった。ジョン・ホッファーは1973年7月9日に面接した。母親は、彼を正常と評価し、注射が主要な改善因子だと話した。彼のファミリードクターは彼の顕著な改善に非常に驚き、感銘を受けていた。彼の気分変動は少なく、他の子とはるかにうまくやっていて、ずっと幸せだった。彼はまだ朝に頭痛があり、まだ被害妄想的だったが、行動上の問題はなかった。1973年10月4日の彼は正常だった。多動性スコアは1971年4月28日の106→1973年10月4日には51まで低下した。彼の評価は0110 (2) - 改善、であった。彼の母親は彼の評価を0111(3)だと思っていた。


・(13)P.B.:1964年5月生まれのP.B.に初めて会ったのは1972年7月。P.B.は12ヶ月で歩き始め、すぐに多動になった。母親は、ソーシャルワーカーから多動であることを知らされるまで、彼の活動に対処できていた。2歳の時に心理学者の面接を受け、両親は彼が正常ではあるが過活動的だと再確認した。1 年生になると、彼は大きな困難を抱え、学習速度は遅く、他の子どもたちとの関わりが持てなかった。ともあれ彼は2年生となったが、恐ろしい夢を被るようになった。夜にモンスターの幻覚を見たり、他の子どもたちが彼を殴るのを恐れたりするようになった。この時点で彼がディスレクシアで読むことができないと明らかだった。1971年11月から1972年3月まで、「こうした子どもたちはすべて親子関係の難しさによって生じている」と信じる児童精神科医の監督のもと、教育コンサルタントによって治療された。改善は見られなかった。彼は以前に見たことのある視覚的な幻覚について私に話し、光を灯すことでそれらを取り除くことのだと教えてくれた。記憶力と集中力が低下していた。オフィスではじっとしていることができず、常に椅子に座ってゆらゆらし、部屋中を見回していた。私はナイアシンアミド1gを1日3回とピリドキシン250mg1日1回を始めた。1972年9月5日には、読書が簡単になり、より楽しくなった。1ページを5分で読めるようになった。それまでは30分かかっていた。1973年2月27日、彼は正常になった。彼は2年生と3年生の両方の授業を取ってとても早く学習しており、彼の先生は同級生のレベルに達することを完全に期待していた。彼はスポーツ、ホッケーや水泳に積極的でした。ジョン・ホッファーは、1973年8月1日に彼が正常だと気づいた。母親は、数ヶ月前に彼が彼がビタミンを取ることを拒否してきたがその後すぐに悪化したのだとジョンに伝えた。2日間ビタミン剤を飲まなかったら、彼は悪化したのだ。彼の多動性スコアは、1972年7月25日に95→1973年8月1日に33に減少した。彼の改善評価は1111 (4) - 正常であった。1973年2月27日、P.B.の父親が私に会いに来た。ビタミン剤による息子の劇的な回復を見て、子どもの頃、父親自身も多動で攻撃的で暴力的な気性を持っていたことを思い出した。父親は非常に自意識過剰で、偏執的な考えを持ち、集中困難があった。彼の気分は落ち込み、抑うつとイライラがあった。父親はナイアシンアミド1gを1日3回服用し始め、数週間後にはずっとよくなっていた。子どもの頃に戻ったかのように多動性テストを行い、85点であった。1973年8月1日、父親はよい調子だった。父とP.B.はお互いにスペルを教え合っていた。


ひとりごと


今日も症例4つ読んでみました。

裏道に隠してあったLSDを見つけて飲んでみた、なんて症例もあって驚きます。

最後のケース(13)はお子さんがビタミンで改善したのを見て、「俺も昔あんな子だった」と思い出してお父さんまでビタミン剤で回復してしまったケース。どれも興味深いですね…。

感謝感激雨あられを絵に描いたような1日。

今日も、たくさんの感謝を❤

今日こそ、感覚統合の本の続きを読む予定だったんです。

本当に、第8章を読みかけていたんです(必死?)。

でも、読みきれず…💧

ただ、感謝したいことはたくさんありました♪

  • 来月から息子が私の知人にレッスンをつけていただくことが正式に決まりました。

コロナの影響でいろいろ宙ぶらりんに停滞していたことがするすると動き出して、ありがたいことです。

  • 元同僚から思わぬオファーをもらい、久しぶりにがっつりピアノと向き合わせてもらいました。

こんなことで今も頼ってもらえること自体に感謝! 私も楽しくてたまらない企画に今からわくわくしています♪

  • これから一緒にお仕事させていただく方に自分の考えを伝えたら、同じことを心配してくださっていました。

本格的に始まる前にゆっくり意思疎通を図ることができそうでホッとしています。8月の新スタートまでにしっかり形が定まるといいな。ありがとうございます♪

ほかにも、まだここには書けない嬉しいことが起こりそうな予感もあります。
こんなに盛りだくさんな1日には、いくら感謝しても足りないかも…。

明日もいい日になりますように❤

今度こそ、理想のかたちで仕上がりました♪

再チャレンジしたかった…

この前挑戦してみた、自家製ベーコンづくり。

味はとてもよかったのですが、いくつか反省点があってリベンジしたかったのです。

反省点と改善したこと

  • 肉の内部がやや生っぽかった

塩漬けにしたあと燻製にする前に電子レンジで加熱はしているのですが、中まで火が通っていない感じがありました。
なので今回は塩漬けにした後ハムを作る要領で60°c 3時間の低温調理してから燻製加工しました。

  • 紅茶の 茶葉では心もとない

燻製の香り付けは紅茶の茶葉でできる、と本にありましたが、前回、茶葉と砂糖を混ぜたものは燻製にする間に丸焦げになってしまいました。せっかく時間をかけて燻製にするならサクラチップを使ってみよう!と今回初めて導入。
東急ハンズでチップの小袋が200円程度で買えました。

茶葉同様、桜チップも砂糖と混ぜて煙が出るまで加熱してから、鍋に豚バラをイン。そして蓋。

30分加熱して、そのまま1時間放置。
さて今回の仕上がりは…?

最高のできばえ♪

f:id:nao-chun:20200628214148j:plain

加熱の終わった段階の桜チップを見てみると、多少色が濃くなった部分はあっても黒焦げの炭化状態ではなくて。最後の最後までよい香りを放ってくれたに違いありません。

塩漬けや低温調理、そして燻製と時間はかかりましたが、完成したベーコンはもちろん中まで火が通り、燻製の香りも高く、すっごく美味!
息子にもとても好評でした♪

明日からのお弁当にまた毎日少しずつ使っていこうと思います。

せっかくだからベーコン以外の何かも燻製にしてみたいなという気持ちが湧き上がっていますが、とりあえずは無塩せきベーコンの家庭内安定供給を目指したいところです。