ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

お弁当から高タンパクを目指す! その簡単な方法とは?

息子のお弁当はそもそも高タンパクを心がけて作ってきたのですが、さらにハイパー高タンパクにしたところ、息子の身体に驚くような変化が出てきました。

きっかけは息子のリクエスト。
おいおい、むちゃくちゃ言うなぁ……と思いながら、冗談半分で始めたのが5月31日。

卵4個のたし巻き卵弁当、本人が飽きるまで続けるつもりでいたら、もう1ヶ月過ぎてしまいました。


私にとってのメリットは、お米を忘れずに炊くことを考えなくてよくなった点(笑)。
今までごはんをよそっていた場所がだし巻き卵で埋まってしまうのですから……。
朝も夕も基本はお米を食べないので、お弁当がなければ炊飯の必要がありません。

それはさておき、息子にとってのメリット。
アトピーの名残で乾燥しがちだった肌がみるみる落ち着いてきました。
以前は鉄剤サプリメント(Now FoodsのIRON 36mg×2)を飲むと肌荒れが悪化していたのですが、再開して10日ほど経った今も肌の状態は後戻りしていません。これは嬉しい!

そして気づけば4月からまた5cmほど身長が伸びている……。
背が伸びたのはだし巻き卵のおかげだけじゃなくて時期的なものだと思うのですが、身体が大きくなってタンパク質の必要量が増えているのは間違いありませんね。

緊急事態宣言で部活動が止まっていた間、放課後に学校近くの公園で運動部の友達に交じってたっぷり身体を動かして帰ってきていました。体格的にも体力的にも自信がついてきたのかな、と感じています。


「1日に卵3つとお肉200g」と口癖のように言っていますが、お弁当でこれだけタンパク質が摂れていたら簡単にクリアできますよね!

クラスの女子には「そのお弁当どうしたの? 卵焼きばっかりじゃん!」と突っ込まれたこともあるようですが、本人は気にしていない様子。
「もう飽きた」と言われるまではだし巻き卵弁当に協力しようと思っています。

我が家の夏の高タンパク質メニューが増えました♪

夕飯メニュー、考えるのが面倒……

ばたばた余裕がなかった今月上旬。
夕飯のメニューを考えるのがちょっと億劫だな、と思って、朝登校前の息子に「今晩何食べたい?」と聞いてみました。

リクエストは「肉たっぷりでヘルシーなサラダ。チーズが入ってたら最高!」。

ほほう、なかなか面白いですな……。

リクエストどおりの新メニューに挑戦。

というわけで、作ってみたのがこちら。
その日は写真を取り忘れたので、後日作ったものです。

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材料は(1人分)

  • 鶏むね肉 1枚(250-350g)
  • ゆで卵 1-2個
  • モッツァレラチーズ 50g(お好みのチーズでOK)
  • レタス 0.5玉 または サラダ菜 0.5把
  • トマト 0.5個
  • お好きなドレッシング

作り方は簡単。

  1. 鶏むね肉を包丁を入れて平らにして、塩コショウ+お酒をかけて揉みこみ、数分置く
  2. フライパンで両面焼いて中まで火を通し、サイコロ状に切る
  3. ゆで卵、チーズ、トマトも適当な大きさに刻む
  4. ちぎったレタスやサラダ菜の上にすべてをどさどさ乗せ、ドレッシングをかけて完成!

説明するほどのものでもありませんね(笑)。

これ1皿で夕飯は完結!

1人前で深い大皿にたっぷりなボリューム。
この1皿だけで夕飯にできちゃう、超手抜きメニューですが、高タンパク低糖質が実現します。

コンロに向かう時間も短くて済むので、暑い季節にピッタリ!
鶏ハムに変えたり、鶏むね肉とベーコンを一緒に焼いたり、ちょっとアレンジもできそうですね。

超ずぼらな高タンパクメニュー、よかったらお試しくださいませ。

病院に行かなくてもわが子に鉄剤シロップを飲ませたいお母さんに、朗報です♪

耳寄り情報、ありがとうございます✨

患者さんの親御さんから貴重な情報を教えていただくことはよくあるのですが、先日あるお母さんから「iHerbにシロップの鉄剤があるんですよ」とお聞きしました。

処方薬のインクレミンシロップ以外にも鉄剤をシロップで飲む方法があったなんて!

これは試してみないわけにはいきません。
早速購入してみました。

インクレミンシロップとはちょっと違うぞ…


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届いたのはこちらのボトル。
237mL入りで1146円です。

小さじ2杯(10mL)に鉄18mg含有。

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インクレミンシロップは10mLで鉄50mg分なので、1日に飲む量はインクレミンの3倍くらい必要ですね。

甘味料がキシリトールなのは好感が持てます(笑)。

肝心のお味は?

中身を出してみると、濃厚なトマトジュースみたいな不透明な朱色。

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お味の方は……?

チェリーやベリー寄りの風味で、とにかく甘みが強い。

これは原液のまま飲むものじゃありませんね。

多少のえぐ味は感じますが、後味の鉄臭さはあまり目立ちません。

甘みのない炭酸水とかで割ったら飲みやすいかも?


ということで、Now Foodsの鉄カプセルやアドバンストフェロケルが飲めないお子さんに処方箋なしで自宅で鉄剤シロップを飲ませたい! と考える親御さんにとっては一つの選択肢になりそうです。

iHerbにはほかにも「ヘマプレックスリキッド、ミックスベリー」などのシロップ状鉄剤があるようなので、好みのものに出会うまで試してみてもよいかもしれませんね。

研修医時代医に見た、ベテラン指導医の分子栄養学的診療

案外悪くないぞ、Zoom飲み会

昨日、このご時世らしく「Zoom飲み会」というのを初めて経験しました。
今まで20年以上続けてきた、精神科入局同期の年1回の会合。
毎年幹事を持ち回りで担当して居酒屋やレストランで集まっていたのですが、コロナ自粛で去年も叶わなかったのでZoomでやってみようと今年の幹事さんが提案してくれたのでした。

飲み会と言っても、飲食OKなだけで何の縛りもなく話し続けるだけなのですが、積もる話をたっぷり3時間してもまだ名残惜しいくらいで、とても楽しかった!
卒業して、今はそれぞれの環境でそれぞれの専門性を発揮して診療しているわけですが、右も左もわからないときから2年間精神科研修医として一緒に過ごした仲間とのつながりはいつになっても変わらずありがたいな、としみじみ。
話しながらあっという間に当時にタイムスリップできるような感覚は不思議です。

ありありと思い出す、研修医時代のこと

昨日みんなと話したこともあり、研修医時代に指導医の先生方の外来に陪席させていただいたときのことを思い出しました。
たしか当時の精神科外来は6診あって、3カ月ごとに違う指導医の先生の診察につかせてもらい、端末で処方箋や予約表の入力補助をしながら(当時カルテ本体は紙ベースでした)実際の診察を見させていただいていたのです。

先生方はそれぞれ得意分野も違えば個々のキャラクターも違うので、そのバラエティの豊かさも感じつつ、共通する大事な部分も学ばせていただける、貴重な機会だったわけです。

ふと、その中に分子栄養学的診療を実践していらした先生がいらっしゃったのを思い出しました。

睡眠のトラブルにビタミンやミネラル

睡眠障害にお詳しかったH先生。
あるとき、「夜布団に入ると脚が熱くなったりむずがゆくなったりチリチリしたりして眠れないです」と50代の男性患者さんがH先生に話されました。
いわゆる、むずむず脚(レストレスレッグズ)症候群。
この患者さんに対してH先生が処方したのはフェロ・グラデュメットという鉄剤でした。

なになに、どうして足がむずむずして眠れない人に睡眠薬じゃなくて鉄剤が出るの? 貧血なの?
不思議でたまらなかったのを覚えています。
H先生は「こういう症状には鉄が効くことがあるんだよねぇ」って穏やかに教えてくださいました。

またあるとき、朝起きられず学校へ行けないという男子中学生がお母さんと一緒に受診されました。
深夜を過ぎても眠れず、朝起こされてもまったく目が覚めないというその患者さんをH先生は睡眠相後退症候群(就寝時間と起床時間が後ろにずれている、ということですね)と診断し、処方されたのはメチコバールというお薬。
これはメチルコバラミン、つまりビタミンB12製剤です。

このときも、ビタミンなんかで睡眠リズムが整うの?ってとても驚いたのが今も忘れられません。
当時の私にはそのメカニズムはまったくピンと来ていませんでしたが、今少し調べてみたらビタミンB12は光への感受性を高めたり睡眠ホルモンのメラトニンの分泌にも関与したりしているようです。

このふたつのケースについては20年以上たった今も心に残り続けていましたが、考えてみるとH先生以外にこういう処方をなさる先生はいらっしゃらなかったなぁ…。

処方薬としてお出しできるビタミンやミネラルには種類も量も限りはありますが、ビタミンでもミネラルでも患者さんに役立つものは柔軟に積極的に使っていく臨床姿勢をH先生から研修医時代に見せていただいたことは私にとって大きな体験だったのかもしれない、と今になって感じています。

アウトプットの悩みを抱えつつ、N先生の素敵なアウトプットに溺れてみる。

締め切りに追われる初夏

最近落ち着いてブログを書けないのは、今月末と来月半ばに締め切りのある課題をふたつ抱えていたから。
ひとつが今日終わったので、ちょっと息抜きに記事を書いています。

普通に外来業務だけしていると、締め切りに追われる用事ってほとんどないのですが(ご紹介いただいた患者さんの診療報告書を早めに書くとか、依頼された意見書や診断書を期日までに仕上げるとかくらいですね)、それ以外のことで依頼をいただいたり宿題を与えていただいたりするのはありがたいことだなと思っています。

なんだかんだ言って、燃えて取り組んじゃいますもんね(笑)。

SNSへのアウトプットもしたい!

それでGoogle DocumentやPowerPointの画面と向かう時間が長くなり、SNSへのアウトプットがおろそかになってしまっていました。
アウトプットの総量が減ったわけではないのですが、情報発信の範囲が狭まってしまっているのはちょっと寂しくて。

アウトプットには使えない時間はKindle耳読に充てていたので、この2-3週間はインプット量>アウトプット量になっていました。コンスタントにSNSへのアウトプットをしたいなと改めて思ったところです。

ちなみに、読んでいたのはこちらのKindle本。

言わずと知れた、夏井睦先生。
念のために補足しておくと、夏井先生は従来の「消毒してガーゼ」という創傷治療に「湿潤療法」という大きな石を投じた形成外科医の先生です。

私の中で、夏井睦先生ブームの到来!!

精神医学に限らず、医療の歴史の中でパラダイムシフトはいろいろ起きているのだな……と先生の広くて深い見識によるさまざまなエピソードを読み(聴き)ながらしみじみ考えさせられています。

創傷治療はもちろんのこと、虫垂炎(盲腸)治療の大幅な方向転換、死してなお偉大なパスツールの亡霊(?)、糖尿病治療のマッチポンプ疑惑、などなど。

本当に、先生の知識は幅広くて、珍しいピアノの楽譜収集の話から、ベアトリクス・ポター(絵本ピーターラビットの作者)の話題、天動説対地動説、江戸時代の食事などなど、ただ医学的知識が深まる以上の知的好奇心をたくさんくすぐってもらえます。

スカッとして、ワクワクして、心に爪痕をざくざく残される感じ。

上記2冊はKindle Unlimitedで読めますので(少なくとも今は無料のようです)、興味のある方はぜひ読んでみてくださいね♪

劇的変化! このミネラルはやっぱり補う価値あり♪

私が向精神薬よりもたくさん処方しているお薬


私が日頃お会いする患者さん達の大半は10歳前後。

精神科のお薬を全く使わないわけではありませんが、お子さんの年齢を考えると積極的に出すのもためらわれるものがあります。


でも、10歳前後のお子さんに対しても積極的に処方しているお薬がひとつだけあります。

それは、鉄剤。


特に年齢的に「錠剤やカプセルは飲んだことがない」とか「どうしてもお薬を飲み込むのが苦手で」というお子さんには、シロップの形で処方できるのがとても便利。


高校生や大学生には、カプセルの鉄剤を処方しています。


小学生から大学生まで、男女問わず、タンパク質をしっかり摂ってもらいつつ、鉄剤を飲んでいただくと、それだけで生活の質がガラッと変わったというご報告を聞くことが少なくありません。

「今までの人生、何だったんだろう?」

もう大人の女性と呼べるくらいのある患者さんが、血液検査の結果フェリチン30台だったのでフェルムカプセルを処方して3ヶ月。


これまでも受診の度に「あのカプセル、何かやばい薬入ってますか? すごく元気になるんですけど」と報告してくれていましたが、先日来られた時には


「ここ10年以上の中でいちばん今がいい状態だって自信を持って言えます。ホント、今までの人生は何だったんだろう?」


と最近の変化を教えてくれました。

  • 趣味のスポーツをいっぱいした日の夜も、 家事や資格の勉強が楽にこなせるようになった
  • 生理が軽くなり、生理痛もなくなった
  • 朝早くてもスッキリ目が覚めるようになった
  • 死にたい気持ちに襲われなくなった
  • 何か不安に感じても、不安になっている自分を客観視できるようになった


……鉄剤のカプセルが彼女の日常生活に及ぼした変化は、相当大きいよう。


「もし友達が元気なさそうだったら、『もしかしたら鉄分足りてないかもよ?』て教えてあげたい」とも言うほど、鉄補充の影響を感じているようでした。


月経のある女性の中には、これまでの彼女のように鉄不足のせいで本来の力が発揮できていない人がきっとたくさんいるはず。


月経周期の影響で心身に不調が出る女の子、月経周期と関係なくいつも元気のない女の子は、まず鉄不足を疑って対処してみてほしいな、と思います。


医療機関で鉄剤を出してもらってもいいし、適切なサプリメントでたっぷり鉄を摂る方法もあります。


鉄補充についてはこちらの本でも詳しく紹介しているので、よかったら読んでみてくださいね。
Amazon Kindle、Unlimited対象です♪

信じる者は救われる? マインドセットは超重要!!

やっぱり読みたくなる、運動に関する本

身体を動かすことと心身の健康に関する本を見つけると、どうしても読まずにいられません。

最近読んで面白いなと思ったのはこちらの本。

この本は、大学院時代に「運動と抗うつ様効果の神経生物学的基盤に関する研究」に取り組んだ著者が英語論文を一般の人にもわかりやすいようにまとめて出版してくださった書籍。

めちゃめちゃ興味深いお話満載なので、運動と心身の健康の関連に興味がある人にはぜひ読んでいただきたい一冊です!

中でも印象深かったのは

全編を通じて運動が脳に及ぼす影響について様々な研究結果やエピソードが紹介されているので、片時も退屈する瞬間がないほど面白いのですが、その中でも特に私の興味をひいたのはこちらの研究。

ホテルの清掃業務に従事する女性を2群に分け、一方にだけ「あなたが日頃行なっている業務は実はとてもいい運動になります」 と伝えると、なんと4週間後には「いい運動になります」と聞かされていた群で体重・血圧・体脂肪・ウエスト/ヒップ比・肥満度が有意に減少したというのです!!

めちゃくちゃ面白くないですか?

気になったので元の論文を探してみたら、こちらのよう。

「心構えが大事:運動とプラセボ効果」というタイトルがまた秀逸ですよね。

まさに、心構えが大事!!

この研究の被験者は、7つのホテルから集められた女性清掃員84名。
今までと変わらない仕事をしているのに、その仕事がいい運動だと知るだけでこんなにも大きく運動の効果が表れてしまうのです。

同じ動作や訓練を行うにも、なんとなく取り組むのではなく、その目的や期待される効果を知ってポジティブな心構えで取り組むと結果が違ってくる、ということ。

それなら、 運動療法でも栄養療法でも、もちろん薬物療法だって「これから取り組む治療にはこんなによい結果が期待できる」 としっかり知って取り組んでいただいた方が効果が上がると言えそう。

私自身、お子さんに前向きな心構えで取り組んでもらえるように、説得力をもって伝えられるだけの知識や経験をもっともっと積み重ねたいなと改めて思ったところです。