ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

鉛筆の売れ行きの変化から浮かび上がる,こどもたちの危機

職場の同僚が,先日観たというNHKのテレビ番組「所さん! 大変ですよ」の話をしてくれました。

私は恥ずかしながらその番組を知らなかったのですが,私の文具好きっぷりを知る母が偶然にも録画してくれていたので後日観ることができました。

その番組は「世にも不思議な“えんぴつ物語”」という,鉛筆がテーマの番組。

…のはずなのですが,途中から見事に身体の使い方の話に切り替わってしまいます。

HBの鉛筆が売れなくなり,Bや2Bの売り上げが伸びている…それは小学校入学時に学校から保護者に濃い鉛筆を使わせるよう伝えているからというだけではなく,高学年になっても筆圧が弱すぎてBや2Bでないと薄い文字になってしまう子が増えているからだ,と。

筆圧が弱い,ガラス瓶などの蓋が開けられない…宮崎大学整形外科の帖佐悦男教授によれば,それは手の力そのものの問題ではなく,手首や指の関節がうまく機能しないためにバランスよく力を使うことができないからだといいます。

さらに,こどもたちの手(上腕)だけでなく股関節や膝・足首などの関節の柔軟性も低く,充分に曲げることができない子が急増中とのこと。

事態を重くみた文科省は,H28年度からすべての小学校の健診のなかに運動器のチェックも加える予定なのだそう。

この問題,こどもの集中力低下や「発達障害は身体障害」といった話にも通じることかも…

nao-chun.hatenablog.jp

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そういう意味でも調査や対策が今後積極的に進められていってほしいなと思いました。