ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

ガムを噛むことの効果に関する研究が教えてくれること

ガムを噛むとデスクワークが捗る気がすると気づいた私,早速ガムの効果は医学的にはどう検証されているのか調べてみたくなりました。

nao-chun.hatenablog.jp

そんなこと調べてる人いるのかな…と思ったら,驚くほどたくさん研究されています!

133人の被験者にガムを噛んでいるとき・噛んでいないときそれぞれに課題をしてもらったら,ガムの味を問わず(ミントもフルーツも)噛んでいるときのほうが覚醒度が上がって注目すべきところに注目できたり注意を持続できたりしていた,という研究報告が2010年にされていたり,

ガムを噛んでいるときはむしろ認知課題の成績は悪く,課題の5分前にガムを噛んだほうがいい結果を出せていた…ただしその効果は15-20分しか持たなかった,という2011年の報告があったり。

日本の研究グループが2013年に発表した機能的MRIによる脳科学研究では,無味無臭のガムを噛んだときは噛んでいないときと比べて課題に対するボタン押し反応が速くなり,でも正答率は変わらず,そのとき前帯状回と左前頭回の活性がより高かったという報告があります。

そしてその理由として,ガムを噛むことで運動コントロールや実行機能といった注意力に関係する脳内ネットワークが活性化したこと,そして覚醒度が上がったことが関係しているのではないか,と考察されていました。

ガムを噛みながらの作業が本当に効率的かどうかは疑問ですが,ガムを噛むことで勉強や仕事が捗りやすくなるというのはあるかもしれませんね。