ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

音読と計算だけじゃない! もっと早くから前頭前野を鍛える方法

脳を育て,夢をかなえる」のなかでも,川島隆太先生は脳,特に前頭前野を鍛えるために大切なことについて触れていらっしゃいます。

計算や音読など,基礎となる学習ももちろん前頭前野を活性化させるのですが,じつはもっと早くから前頭前野をたくさん働かせる時間が日常生活の中にある,と川島先生。

ひとつは,家族との会話。

その日あったことについてお母さんと話をしたり,自分の気持ちを聞いてもらったりしているとき,前頭前野の活動はとても活発になるのだそう。

もうひとつは,友達と遊ぶこと。

本の中には大学院生さんたちがみんなで立てる親指の合計数を当てるゲーム(最近は指スマと呼ばれるようですね…)をしながら光トポ測定をしている写真が載っていますが,友達と遊びながら自分が話したり相手の話を聞いたり,相手の気持ちや行動を考えたり,みんなで笑ったりするとき,やはり前頭前野の働きが高まるようです。

川島先生は,小さいときから家族と話をしたり友達と遊んだりして前頭前野をどんどん使って,それから学校生活で計算や読書などの学習によってさらに前頭前野を鍛えることを積み重ねるのが大切だとおっしゃいます。

実際には,学校生活が始まっても勉強と親や友達とのコミュニケーションによる脳への刺激を重層的に積み重ねていくことになると思いますが,学習とコミュニケーションのどちらもが前頭前野を鍛えることに役立つというのは面白いなと思いました。