ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

コンピュータゲームだけじゃない! 実行機能を高めるアプローチ

実行機能を高める方法は,先日記事にしたコンピュータゲーム以外にもいろいろ研究されています。

nao-chun.hatenablog.jp

(2) コンピュータゲームとその他のゲームの組み合わせ 7-9歳のこどもを2グループに分け,コンピュータを使うゲームと使わないゲームの両方を使って,一方には推論トレーニングを,一方には処理速度を鍛えるトレーニングを行ったら,どちらも鍛えられた機能そのものは高まったものの鍛えなかったほうの能力まで改善することはなかったそうです。

(3) 有酸素運動とスポーツ 8-12歳のこどもに段々負荷を上げる有酸素ランニングをさせたら,普通の体育の授業を受けた子と比べて認知的柔軟性(創造性)を高めることはできたようです。

座りがちで体重の重い7-11歳のこどもを3グループに分けて,2グループにはそれぞれ1日20分または40分の有酸素運動(走る,縄跳び,バスケットボールやサッカー)をさせ,残りのグループは運動をさせずに比較したら,40分運動したグループのほうは運動しなかったグループより実行機能(選択的注意を除く)と算数の能力が高くなっていたという報告もあります。

7-9歳のこどもに毎日2時間の運動をさせたところ,運動させていないこどもと比べて特に負荷が高いワーキングメモリ課題で運動させたグループのほうが成績よかったというデータもあります。

このほかにも,スタッキングや音楽の練習など両手を協調させる活動や,実行機能を使ったり仲間との絆を感じたりできるスポーツも効果的ではないか,と論文には書かれています。