結局,こどもの実行機能を高めるために大事なことは? (3)
こどもの実行機能を高める方法のまとめ,いよいよ最終回!
有酸素運動・格闘技・ヨガ・マインドフルネスは学校の放課後などにも実施できる。これらを公立校で取り入れれば経済状況によらず誰でも容易に利用でき,こどもを早期からいい軌道に乗せられ,幅広い効果も得られる。学校は体育や芸術の授業を減らす方向に向かっているが,むしろ増やすべきではないか。
4つの学校カリキュラム(ツールオブマインド,モンテッソーリ,PATHS,CSRP)の共通項は多い。まず幼い子に長時間の着席を求めない…これはこどもが登校することや先生を恐れたり,ADHDと間違われたりせずに済むのがよい。そして教室内のストレスを軽減し,喜びやプライドや自信を増やし,社会的結びつきを育む…いずれも実行機能や学業成績の向上をサポートする。
ストレス・孤独・身体にフィットしないことは前頭前皮質機能や実行機能を障害する。実行機能や学業成績を最も高める方法は,
- こどもたちの熱心な興味に時間を取り,喜びや自信を与える
- こどものストレスに向き合い,外因を取り除く努力をし,穏やかで健康的な反応を高める
- 精力的に運動させる
- 所属感や社会に受容されている感覚を与えながら,実行機能課題を徐々にレベルを上げつつ反復して行う
の4つ。実行機能や学業成績など単独の狭いものにとらわれず,こどもの感情面や社会的・身体的発達にも目を向けることが,実行機能や学業成績を最も効果的に高めるだろう。
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読みたかった論文,やっと読破しました! こどもの実行機能を高めるためにできることの基本が見えてきたように思います。 長い期間おつきあいいただきありがとうございました。
さて,ここのすラボはここで一旦夏休みに入らせていただきます。 次回更新は1か月後,8月24日の予定です。どうぞお楽しみに♪