ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

非認知能力と実行機能と。

中室牧子先生の「『学力』の経済学」を読んで,息子の非認知能力を鍛えてやる方法があるならば今からでも取り組ませてやりたい,と思ったのですが…。

幼児教育が伸ばしているものは非認知能力であり,低年齢のうちにこどもの教育にお金をかけたほうが費用対効果が高いことと合わせて考えると,もしかしたら幼少期にしか非認知能力を伸ばすことはできないのではないか,すでに小学生の息子では手遅れなのではないか,という不安がむくむくと…。

でも,中室先生の本には「認知能力の改善には年齢的な閾値が存在しているが,非認知能力は成人後まで可能性のあるものも少なくない(P.92)」とあります!

ホッとする反面,それは伸ばせる力もあれば伸ばせないものもあるということでもあり,そして今伸ばせるのなら早く伸ばしてやりたいという思いは変わらないわけで…。

こうして思い悩んでいても時間が過ぎるばかりだから,今すぐ取り組めて効果のありそうなもの始めよう,と選んだのが公文だったのでした。

教育経済学の世界で「非認知能力」と呼ばれているものは先日も書いたとおりかなり幅広いものですが,ひとつひとつの内容を見ると脳科学の世界で言う「実行機能」と重なるものがたくさんあります。 nao-chun.hatenablog.jp

たとえば,自分の状況を把握する力や工夫する力は「認知的柔軟性」と,そして忍耐力や自制心は「抑制」と。

そう考えると,こどもの実行機能も幼少期に投資して伸ばしてあげたほうが効率がよいと言えるかもしれませんね。