ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

ヒトはどうやって母国語を身につけるの?

最近,ふとしたことから「ヒトはどうやって言葉を身につけるのだろう?」と考えるようになりました。

国語学習の話ではなく,赤ちゃんが母国語を習得する過程のことです。

私はいつの間に母に言われていることがわかるようになり,いつの間に耳の立った小型犬チワワを「ネコだ!」と思わなくなったんだろう?

そんなことを振り返ると,母国語を身につけるのってとても不思議なことだなと思うのです。

その秘密を知りたくなって「ことばの発達の謎を解く」という今井むつみ先生の新書を読んでみました。

冒頭から驚いたのは,生まれたばかりの赤ちゃんがすでに外国語よりも母国語のイントネーションに注意を向けることができるという話。つまり,お腹の中にいるときから外界の声を聴いて母国語に慣れ親しみ始めているんですね。

そして「ミルクガホシイノカナ」「イマミルクアゲルネ」「ミルクオイシイネ」などと話しかけられるなかに頻繁に登場する「ミルク」をひとかたまりの単語として検出できるようになって,生後9-10カ月には単語がかなりストックされてくるのだそう。

それから,こうして覚えた単語の意味をきちんと知る(=おとなと同じように使えるようになる)ために,ことばのシステムを発見したり,ことばを創造的に使ったり,学習したことばを修正したりしながら使い方を深めていくとのこと。

赤ちゃんのときから自然に備わっている能力はすごいな,と感じると同時に,これが自然にできないとどうなってしまうのだろう…と疑問に思わずにいられませんでした。

今井先生ご自身の研究も交えながら,ことばの発達のしくみをとてもわかりやすく教えてくれるこの本,興味のある方はぜひどうぞ♪