ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

あけましておめでとうございます!

新年あけましておめでとうございます。 今年も「こどものこころをのびのびすくすく育てる,発達を支え促す」ことをテーマにブログを書いていきたいと思います。 「ここのすラボ」を本年もどうぞよろしくお願い致します。

これからもこどもの発達に関連する書籍や論文を読んでいきたいと思っているのですが,なかなかじっくり読む時間が確保できていません…。

でも去年12月にとても気になる論文を見つけたので,今日はそちらを紹介したいと思います。 じつはこどもに関する論文ではなく,育てているお母さんたちに関する文献です。

そのタイトルは「Development and Evaluation of a Parenting Resilience Elements Questionnaire (PREQ) Measuring Resiliency in Rearing Children with Developmental Disorders」。 「発達と,発達障害児の子育てにおけるレジリエンシー(柔軟性・しなやかさ)を測定する『子育ての柔軟性要素質問票』の評価」と訳せばいいのかな…英語論文ですが,じつは日本の研究チームが書いたものです。

3-18歳の発達障害児を育てているお母さんからデータを取り,最終的に313名のお母さんの「子育ての柔軟性要素質問票」を解析しつつ,さらに対象者や質問項目を絞り込んでいった結果,3つの要素が重要だということがわかったのだそう。

ひとつめは,こどもの特性を知っていること。 たとえば我が子の得意なことや苦手なことを知っている,こどもが起こすトラブルの背景がわかっている,…など。

ふたつめは,社会的サポートを受けていること。 たとえば,子育てについて話す相手がいる,こどもがトラブルに巻き込まれたとき助けてくれる人がいる,…など。

みっつめは,子育てすることを前向きにとらえていること。 たとえば,こどもと話したり遊んだりすることを楽しんでいる,我が子が自分を元気にしてくれていると感じる,…など。

ざっくりご紹介するとこんな感じですが,詳しく知りたい方は原文をじっくり読んでいただければと思います。

この論文は,発達障害と診断されたお子さんを育てているお母さんを対象に日本各地の医療機関が共同で行った調査結果をまとめたものなわけですが,我が子のことをよく知り,孤独感を感じずに子育てができ,子育てを楽しめる…ということはきっとどのお母さんのことも楽にしてくれる大事なことなのだろうなと思うのです。

これからも,お母さんたちがお子さんへの理解を深めたり,安心して子育てを楽しんでいただいたりできるような情報を提供するブログでありたいな,と考えながら書き続けていきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。