ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

でんじろう先生の過去が与えてくれた勇気。

私が毎回録画してでも必ず観るテレビ番組のひとつに「しくじり先生」があります。

芸能人やスポーツ選手などが,自分の過去の失敗をユーモアを交えて講義形式で話してくれるバラエティ番組なのですが,先日なんとサイエンスプロデューサーとしてご活躍の米村でんじろう先生が出演されたのです!

テレビ番組では空気砲や電気ビリビリ実験などわかりやすくて面白い実験で科学を楽しく紹介してくださるでんじろう先生が元学校教員だというのはどこかで聞いたことがあったのですが…,

しくじり先生」のなかで,じつはご自身が学校嫌いだったというまさかの過去を暴露されてビックリ!

こどもの頃,理科は好きだけど他の科目は苦手で,苦手科目を克服しようと思ってもやりかたがわからなくて授業中「お客さん状態」になってしまっていたこと。

音楽の授業でも「ドレミの意味がわからない」状態でリコーダーも吹けなかったこと。

中学生くらいから,共働きだった親にわからないように学校を休みがちだったこと=「家からでんじろう」。

社会に出るのが嫌でモラトリアム的に大学進学を決め=「社会にでんじろう」,3浪して進んだのが教育学部で,極度の人見知りで学校嫌いなのに学校の先生になってしまったこと。

教員になってからも,生徒たちと実験することには一生懸命でも受験指導や授業の進行状況は重視していなくて,保護者や教員仲間から不満が出ていたこと。…

もちろん,番組のために多少大袈裟に脚色して話してらっしゃる部分もあるとは思うのですが,大筋として「休みがちになるほど学校がキライ」で「苦手なことは避けがちで,好きなことに熱中」してきた方ではあったのだろうな,というお話でした。

日頃,私は診察室で「小さい頃のでんじろう先生」に似ている!と思えるお子さんたちにたくさん出会います。

苦手科目があることに苦しみ,みんなと一緒に大勢でクラスや学校の活動をしないといけないことに悩み,学校に通い続けるのがしんどくなっているこどもたち。

そんなこどもたちをお家で見守りながら,その子の将来を心配したり焦ったり,ときには叱りつけたりこどもと喧嘩になってしまったりもする親御さんたち。

そういうこどもたちや親御さんたちが,ひとりでも多くこのでんじろう先生の番組を観てくださっていたらいいな,と番組を観ながら願わずにはいられませんでした。

そして私自身は,こどもたち・親御さんたちをサポートさせていただく勇気やパワーをいただくことができました。

でんじろう先生,そして「しくじり先生」スタッフのみなさま,とても素敵な番組を放送してくださってありがとうございます!!