ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

運動会前のこどもたちは,ストレスいっぱい。

運動会といえば秋の行事だったのは,私がこどもの頃の話。

最近は,5月に運動会が開かれる学校が増えてきたようです。

運動会の前には,学年ごとの団体演技,団体競技や徒競走の並び方に入退場,入場行進,そして高学年になると応援団とか放送とか校旗掲揚とか,とにかくいろいろな練習がありますよね。こどもたちの毎日は,授業も休憩時間も放課後も,練習のあれこれがぎっしり詰め込まれることになります。

身体を動かすのが大好きで,運動も得意で,そんな季節はむしろ絶好調!というお子さんにときに出会うこともありますが,このプレ運動会シーズンに調子を崩すこどもたちはやっぱり少なくありません。 運動量が増えることによる身体的な疲れもあれば,演技の振り付けや競技の並び順を覚えないといけないという記憶への負荷,バトンリレーで失敗できないとか騎馬戦で勝たなきゃいけないといったプレッシャー,…いろんなしんどさを話してくれます。

そして,4月にクラス替えや担任交代があった場合は,運動会が5月にあるとまだクラスの雰囲気がまとまっていない大変さもあるようです。こども同士がお互いのカラーをわかり合えていなかったり,結束力が十分高まっていなかったり。それをうまくまとめてリードしようとされる担任の先生もご苦労が多いでしょうね。

さらに先生方には,クラスや学年のことだけでなく運動会運営全体に関するお仕事が降りかかります。会議も増えるでしょうし,学年選抜のリレーの練習を始業前や放課後に指導する先生,昼休みに応援団の練習に付き合う先生,競技のアナウンス文を作ったりBGMを編集したりと音響の準備をする先生…。そうした業務のために,普段よりクラスのこどもたちと過ごせる時間が減ってしまうこともあるようです。

普段よりも疲れて余裕のなくなっているこどもたちが,先生不在がちの教室で一緒に過ごすと,いつもなら起こらないようなトラブルが増えるのも無理はないかもしれません。この時期には,運動会そのものの負担だけでなく,クラス内でのいざこざを報告してくれるお子さんや親御さんも多くなります。

つまり,この時期のトラブルに関しては,ただ学年が変わったばかりだから,担任の先生が替わって間もないから,…というだけではないんでしょうね。クラス替えや担任交代のない場合にも小さな揉めごとが増えがちな時期かもしれません。 もしかしたら運動会のいろいろなしわ寄せが来てるのかも知れないから,運動会が終わるまではちょっと気をつけて様子をみてあげてくださいね,なんて話を親御さんとしたりもしています。

こどもがトラブルに巻き込まれると心配になりますが,こうした学校内の非日常性に想像をめぐらせてみると少しどっしり構えて見守りやすくなるかもしれませんね。