ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

またまたビタミンのメガ盛りが必要な理由,そしてもう一つ必要なものは?

前回,メガビタミンの考え方の背景にある理論のひとつとして,三石巌先生の健康自主管理システムシリーズ第1巻「分子栄養学のすすめ」に登場する「パーフェクトコーディング理論」について書きました。

nao-chun.hatenablog.jp

この本には,なぜメガビタミンが必要かという理由がさらに書かれています。
ビタミンの「カスケード理論」です。

たとえば,ビタミンCを必要とする代謝(身体の中での反応)はものすごくたくさんあります。
ポーリング博士という学者さんによれば,50以上あるのだそう。

「分子栄養学のすすめ」にも,
コラーゲン合成・ステロイドホルモン合成・インターフェロン合成・コレステロール分解・菌毒素不活化・グリコーゲン合成・ブドウ糖吸収抑制・汚染物質毒性緩和・知能指数上昇・うつ病改善・…
といった例がたくさん挙がっています。どれも健康維持に必要なものばかりですね。

もちろん,すべての反応が必要なときに必要なだけしっかり進むのが理想。
たとえばストレスが高まると,ステロイドホルモンの合成は通常より増えることになります。
そのときに,ビタミンCが十分足りていないとステロイドホルモン合成でビタミンCを使い果たしてしまって,そのぶん反応がおろそかになってしまう代謝が出てくる恐れがあります。

そして,人によってさまざまな代謝の優先順位が違うこともわかっています。
この本ではカスケード(段々になった滝)という言葉が使われていますが,たとえばステロイドホルモンの合成が増えたとき,ステロイドホルモン合成よりも下流にある滝(優先順位の低い代謝)まで十分なビタミンCが届かないことになり,その不利益を被る代謝反応がある人ではコラーゲン合成,別の人ではコレステロール分解と汚染物質毒性緩和,みたいに違ってくる…これも体質の差として現れることになるのです。

ビタミンCに限らず,ビタミンはそれぞれ体内で複数の重要な代謝活動を支えてくれています。
結局,さまざまなビタミンが関わる代謝がどのような状況でもすべて滞りなく進む状態を作るには,あらゆるビタミンを十分な量,身体に供給してあげるのが手っ取り早いということになるわけです。

そして,補酵素がビタミンなら,酵素たんぱく質
いくらビタミンだけ十分に補われたとしても,たんぱく質が足りなかったらやっぱり代謝が十分に行われる保証はないということですよね。

ビタミン剤だけ摂っても仕方なくて,まずは高タンパク質な食事を心掛けないといけないということも想像できると思います。

栄養の世界,奥が深いですね…。