子どもの注意や行動の障害を治す:栄養の補助と心理的治療 序文(1)
どうしても諦めずに読みきりたいので,ここに10数回に分けて章ごとにざっくり短いまとめをアップしていきたいと思います。
序文(1) 問題を抱えた子ども,打ちのめされた親
・尿中クリピトピロール(KP)は大多数の統合失調症やその他の疾患をもつ一部の患者さんで高値を示し,その場合はビタミンB3(ナイアシン・ナイアシンアミド)大量療法が有効。
・北米,イギリス,ドイツ,オーストラリア,ニュージーランドなどいろいろな国の統計が「男児の約10%,女児の約3%に学習や行動の問題がみられる」ことを示している。
・1960年代から1970年代のこうした問題への支援産業は失敗に終わった。 (※この章のタイトル「問題を抱えた子ども,打ちのめされた親」は,1960年代の支援のうまくいかなさが子どもたちを傷つけ,同じくらい親のことも打ちのめした,という文面に由来するようです。)
・栄養学的治療の提唱者のひとりであるGreen博士は「学習の困難に共通する要因があるなら,それが何かを見つけてその問題に取り組むべき。…食事は情動・学習,身体の問題の原因になることがよくあるだろう」と。
【補足1】クリプトピロールって何だろう? 気軽に測定できるものなの?
ブログ:PureLifeProducts「もしかしたらあなたも!? ピロルリア陽性の診断‐ピロルリアが原因で発生する不安障害」より http://blog.purelifeproducts.com.au/2016/12/14/post-290/
クリプトピロール(ピロール)はヘモグロビンタンパクを作るときの副産物。 尿中に4-8μgみられるのが正常だが,これが尿中に増加するのがクリピトピロール尿症(ピロルリア)。 軽度上昇が10-20,中等度上昇が20-50,重度上昇は50μg以上。
尿中にクリプトピロールが増えて困るのは,クリプトピロールがビタミンB6と亜鉛も一緒に尿中に排泄してしまうから。
尿中のクリプトピロールは光と常温で急速に分解されてしまうので,測定するには尿を冷凍するなどの対応が必要。
【ひとりごと】クリプトピロールが尿中に排出してしまうのはビタミンB6なのに,どうしてB6でなくB3の大量投与が有効なんだろう? という謎が残っているけれど,今はこのままにしておこうっと。