ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:診断(3) 着色料と保存料 / グルタミン酸

 まだまだ続く,ひとり読書会。

今回は,着色料と保存料,そしてグルタミン酸の話題です。

【着色料と保存料】

・子どもの多動と食品添加物の関連についての総説が最近(1994年)出たが,生体にとって異物となる化学物質,たとえば清涼飲料水などに使われるタートラジン(黄色4号)はよく食物不耐性研究に登場する。特にアスピリン過敏のある人で問題になりやすく,アスピリン過敏症者の10-40%が]喘息やじんましん,鼻炎,多動などを起こす。タートラジンと保存料の安息香酸が組み合わさると異常反応が出るという研究もある。タートラジンは亜鉛欠乏を起こし,循環血液量と唾液の量を低下させる。

・その他,菓子類に入れられるクルクミン,ビスケットに入れるサンセットイエロー,ジャムなどに入れるカルモイシン,コーラやビールに入れるカラメルなども着色料も有害な反応を起こす。保存料や抗酸化剤は,安息香酸,硫酸塩,硝酸塩,サッカリンアスパラギン酸などがある。アスパラギン酸フェニルアラニンを含むが,ラットではフェニルアラニン濃度を倍にすると脳内のチロシンが増加しトリプトファンが減少する。トリプトファンが減少するとセロトニンや細胞内のNADニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が減少し,松果体は十分なメラトニンを作れなくなる。

ひとりのヒトが複数の物質や食品にアレルギーや中毒症状を呈する。ある研究では48種の食品が原因物質となっていたが,64%は牛乳に,49%は小麦に,32%はピーナッツに,そして16%は砂糖に反応していた。除外食で子どもたちの症状は軽快・消失した。


グルタミン酸

グルタミン酸は中枢神経を破壊しうる物質だが,最も広く使われている食品添加物のひとつである。アスパルテームl-システインその他含硫アミノ酸も同様の作用を持つ。

たんぱく質の水解物には大量のグルタミン酸アスパラギン酸含硫アミノ酸が含まれており,これらには興奮毒性(excitoxinはexcitotoxinと同義なのか?)がある。幼若な動物は特に感度が高く,カップ1杯の化学的なスープを体重9㎏の赤ちゃんが飲むと体重キロあたり130mgのグルタミン酸を摂ることになる。未熟児マウスの中毒閾値はキロあたり250-500mgだが,ヒトはネズミより5倍,サルより20倍グルタミン酸による脳損傷の感度が高い。

アスパルテームも脳神経を破壊する毒性があり,これらの物質がアルツハイマー病やハンチントン病のような脳変性疾患を引き起こす原因になるではないかと研究されているところである。
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【ひとりごと】 食品の着色料まで細かくチェックすることはしていなかったが,これから商品パッケージを真剣に見てしまいそう。グルタミン酸も身近な物質なだけに,摂り過ぎには本当に気をつけなくては…と思った。