ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:診断(4) 行動面、知覚面、生物医科学的な、そして知能の検査…序説・多動性テスト

ひとり読書会、アセスメントの章へ突入です。

・知覚、思考、気分、行動という子どもの4つの精神状態のすべてを評価するのは、治療目的のためというより、治療後の改善を判断するためのベースラインになるからだ。私はいくつかの診断補助検査を用いるが、それらは経験豊富な熟練した臨床家の診断に次ぐ位置付けである。

【多動性テスト】
・27項目の多動症状について子供の親や教師等に質問して、顕著(5点)、中程度(3点)、見られない(1点)で評価するテスト。質問内容は、

1. 動きすぎる
2. 課題が終わらない
3. そわそわしている
4. 食事中じっと座っていられない
5. ゲーム中、その場にずっといられない
6. おもちゃや家具を壊す
7. しゃべりすぎる
8. 指示に従わない
9. 不器用
10. 他の子と喧嘩する
11. 予測できない
12. からかう
13. 躾に反応しない
14. 物事に飛び込んでいく
15. 発話に問題がある
16. 癇癪を起こす
17. 話の全体を聞かない
18. 反抗的
19. なかなか寝ようとしない
20. イライラしている
21. 無謀
22. 仲間に人気がない
23. 我慢強くない
24. 嘘をつく
25. 事故傾性が強い
26. 夜尿しがち
27. 破壊的

・教師と親の評価は似ているが、大抵の子どもは自宅の方がより活発である。リタリンを飲んでいる場合は特にそうなる。定型発達児の平均は45点以下、他動詞の平均はおよそ75点である。症状の程度や改善を見るのにとても役立ち、検査時間は数分で済み、親も受け入れやすい。この本に登場するすべての子どもたちにこの検査を行った。

----------

ひとりごと:子どもの状態を行動・知覚・気分・思考の4つの面から考えるものの見方が、こ子からのアセスメントの話にもある程度活用されているよう。今回の【多動性テスト】は受ける側も実施する側も負担が少なくて便利そう。診断目的じゃなく、効果をみる指標になるという考えかたはいいなと感じた。