ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

相手の行動を変えることはできなくても、自分にできることは何?

職場の待合室には小さな本棚があります。
残念ながらここに配架するための本を買ってもらう予算はないので、誰かが提供してくれた本や漫画が並んでいるのですが、私も独断と偏見で私物の本をこっそり置かせてもらっています。

もちろんその中には、「うつ消しごはん」や「食べてうつぬけ」など分子栄養医学関連の書籍も。

マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

待合室にお迎えに行くと、お子さんの受診に付き添ってくださるお母さんたちがこうした栄養本を熱心に読んでおられることが結構多いのです。
そして「本棚の本、次に来るまで借りて帰っていいですか?」と言ってこられたり(もちろん喜んでお貸しします♪)、表紙の写メを撮って帰って購入する気満々のお母さんもいらっしゃいます。

そのまま診察室で食事やサプリメントの話で盛り上がることもしばしば。
途中からお子さんも興味を持って血液検査を受けたいと希望されることもあれば、お母さん自身が「私も受診していいですか?」と後日カルテを作られ、血液検査を受けるということもあります。

血液検査で鉄欠乏が確認できたら鉄剤のカプセルを処方。もちろん高タンパク低糖質な食事もオススメします。
鉄欠乏が疑われるけど血液検査は絶対イヤ!というお子さんやカルテまでは作らなかったお母さん方には市販の鉄剤を試してもらうこともあります。

さて、次の診察時。
めざましい改善をルンルンで報告してくださるケースのなんと多いこと!
もちろん、不登校のお子さんが突然元気いっぱいに登校再開というわけにはなかなかいきませんが、お母さん方はいかにこれまでご自分がギリギリの体力で仕事や家事を回してきたか気づいてビックリされるようです。

先日、あるお母さんがニコニコしながらこう言ってくださいました。

「自分の身体で人体実験してるみたいです。変わっていく自分が楽しい♪ 私が元気になると、子どもも喜んでくれるし少し元気になったみたいで嬉しいです」

と。
私から知識や情報をおつたえすることはできても、あたりまえですが実行は強制できないんですよね。

やってみたいと興味を持ってくださること、実際実行に移してくださること、そして手応えを感じてくださること。そのすべてが私にとって何より嬉しくて。

職場の性質上、あまり大胆な「布教活動」はできないのですが、栄養って案外侮れないんですよーという情報提供はこれからも続けていきたいと思っています。

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実際の本棚はこんな感じです。