ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

ビックリ! がっくり! 不登校の数字のカラクリと教員の働き方改革

不登校児への関わりと学校の先生方の働き方改革

先週たまたま教育委員会の方とお話をさせていただく機会がありました。
いろんな意味で衝撃を受け、その余韻がまだ頭の中から消えていきません。

最初に驚いてしまったことばはコレ。

不登校対策は、教員の働き方改革の方針と合致しない」

脳内で一瞬のうちに大混乱が起こりました。
たしかに児童生徒さんの意思と無関係な、むやみに熱心な訪問・電話はやめてあげてほしいと願ってはいます。

それはそうなのですが、教員の働きかた改革のために児童生徒への放課後の熱心な関わりを止めるというのはなんか違和感があって。

うちの職場には不登校の子どもたちはもちろん、忙しい現場に疲弊して抑うつ状態に陥ってしまった学校の先生方も受診されるので、先生方の大変さについてはある程度分かっているつもりですし、働き方改革そのものにはもちろん大賛成ではあるのですが…。

実際、共働き家庭の多い最近はお母さんに連絡しようにも19時過ぎまで電話が繋がらないとか、不登校ではあっても塾に行っているお子さんが21時過ぎまで帰ってこないとかいうケースも多く、放課後の児童生徒や親御さんとの関わりは本当に難しくなっているようです。

モヤモヤ、さらに増幅する

そんなところでモヤモヤしていたとき、さらに「不登校の数字のカラクリ」を教えていただいてしまいました。

文部科学省不登校の定義は病気などの特別な理由なく年間30日以上欠席することだ、と。

もちろんそれは知っていたのですが、問題はこの続き。

年間30日以上欠席してしまったら、その子が年度内に再登校できるようになっても、その年度の不登校児1名としてカウントされる。

あああっ、そうかぁ!!!

とてもおかしな話に思えますが、その年度の欠席を30日以上してしまった児童生徒に先生方が一生懸命関わり続けて仮に再登校できるようになったとしても、その子はその年度は「不登校児」扱いなのです。

だから、不登校児と確定してしまった子どもへ放課後などに多大な時間をかけて関わることは、不登校を減らすことにつながらない過重労働だとされかねない…。

ううむ、ますますモヤモヤ。
「この子はもう欠席が30日を超えちゃったから、一生懸命関わっても無駄だよね、どうせ不登校だし」という発想の先生が現れないかと危惧してしまうし(そんな先生はいらっしゃらないと信じたい!)、逆に児童生徒の気持ちを丁寧に汲み取りながらちょっとでも元気に学校に通えるようになってくれたらと真摯に関わり続けてくださっている先生方の努力が不登校児童生徒数という大雑把な評価では全然表に現れてこないということも無念だし。

定義なんてどうだっていい。大事なことは…?

まぁ、不登校の定義がどうであろうと、私たち支援者はお子さん本人と親御さんと協力しながら、お子さんが将来少しでも楽しくイキイキと幸せにと過ごせるために必要な力を蓄えるお手伝いをしたいという思いは変わらないわけで。

不登校児童生徒数という数字に振り回されず、学校の先生方の過酷な労働状況にも思いを馳せながら、目の前のお子さんのために力を尽くしたいなと思った次第です。

そして、お子さんが学校に行けるようになったり、学校の友達や先生方と少し繋がってみたいという気持ちになったり、学校とは無関係でも楽しいことや意欲を持って取り組めることを見つけたりできたら一緒に喜びたいと思っていますし、その喜びの輪の中に学校の先生にも加わっていただけたら嬉しいなぁ…と思っています。

f:id:nao-chun:20190930195457p:plain