ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

嬉しすぎるニュース! 内申制度の見直しが始まります。

思いがけず飛び込んできた朗報

今朝のYahooニュースを何気なく眺めていたら、とても気になる項目が目に留まりました。

内申書が不安で「楽勝部活に生徒殺到」「やる気ない生徒会に立候補」 広島県では大幅改革も(asahi.com

dot.asahi.com

あぁ、なんと嬉しいことでしょう♪
今まで内申書制度のことはこれまで診察室で何度となく話題にのぼったし、中学生のお子さんも親御さんも本当に悩まされていましたから…。

 

内申点に振り回される親子たち

この記事にもありますが、そもそもの内申書の目的は

一発勝負の学力テストだけで合否を決める弊害をなくす。

だったはずにもかかわらず、中学生たちは入試本番のずっと前、1年生のときから「どうすれば内申点を稼げるのか、どうすれば内申点を失わずに済むのか」に心をすり減らしているのがひしひしと感じられるんです。
もしくは、内申点を稼ごうとするような気力がお子さんから沸き起こる状態ではなくなっていて、そのことで親御さんが悲観的になったりお子さんをどうにか奮い立たせようとしたりしているケースも。それを見てお子さんはさらにつらくなる。

だから、親子で追い詰められずに高校の選択肢は幅広く考えてほしいなぁ…と思っていることは以前の記事にも書きました。

 

nao-chun.hatenablog.jp
だって、高い内申点をもらうには

  • 課題提出の期限を守る(それも再提出をくらわないクオリティで)
  • 極力欠席や遅刻をしない
  • 授業中は積極的に発表する
  • 部活で活躍し上位入賞を狙う
  • 生徒会役員になる
  • 主要5教科はもちろん、副教科は評定平均1.5倍換算になるので手を抜かない(地域差あるかも?)

…こんなこと全部できるのってスーパー優等生だけですよね?

 

しかも「観点(カンテン)」とかいう、授業態度や本人の意欲を細かく評価するためのよくわからない点数尺度も用いられているようです。
それって先生の主観だらけになってしまうんじゃないの? とモヤモヤしていたら、先日読んでいた漫画にこのことがズパッと表現されていて、わが意を得たり!!と思いました。

 

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二月の勝者 ー絶対合格の教室ー (4) (ビッグコミックス)より)

 

ちょっと脱線しますが、「二月の勝者」は中学受験の進学塾を舞台にした漫画。ママ友に勧めてもらって読み始めてハマりました。

ちなみに最新刊第6巻は本日発売です。

 

内申制度の見直し、とても期待しています!

本題の記事に話を戻しますが、広島県の新しい高校入試制度の素案では

内申書が過度に生徒を萎縮させないよう、記載する項目も氏名・性別、学習の記録の三つに絞り込む。不登校の子が不利にならないよう欠席日数の記載はなくす。学校側が合否判定にどうしてもその情報を使いたい場合は理由を明示するよう求めるという。

とも記載されていて、本当にホッとします。
今まで、中学で不登校だったお子さんには公立高校以外の選択肢をいろいろお伝えするようにしてきましたが、内申制度が現実のものとなったら公立高校も選択肢に含めて考えられるようになるかもしれませんし、親子の過度のストレスや緊張感はずいぶん軽減されるんじゃないでしょうか。

ついでにいえば、性別についてはLGBTの生徒さんに配慮して柔軟に回答できるようにしてもらえたらもっとありがたいかな、と思います。

こういう内申制度再検討の動きが全国にどんどん広がっていくことを願ってやみません。