ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:治療(1) 最適な食事…そのままの食品 対 加工食品

火曜日の、ひとり読書会。
治療の章ですが、まずは食べものについての考察が続いています。

そのままの食品 対 加工食品

・私たちは、可能なら加工食品やハイテクな食品ではなく純粋でそのままの食べ物だけを食べるべきだ。乳児死亡率の減少や定年まで生きる人達が増えたことをハイテクな食事が健康を向上させたことと結びつける人もいる。しかし、カナダ人の二人に一人が一つ以上の慢性疾患を抱えているなど、この主張に反するデータもある。

コロラド州立大学の研究では、昔ながらの食事の方が最近の食事より健康的であることを示した。進化はランダムな遺伝子変化と食事の変化の両方によって怒るのではないかという仮説を、ヒトの栄養学者よりも先に動物学者が提唱した。

・そのままの食べ物とハイテクな食べ物は、次のように対比できる。

【そのままのもの】

  • 丸ごと全部の
  • 生きている
  • 新鮮な
  • 多種多様の
  • 毒のない
  • 倹しい
  • 内因性(地産の)
  • 自然な味付け
  • シンプル

【ハイテクなもの】

  • 人工物
  • 死んでいる
  • 陳腐な
  • 単調な
  • 毒のある
  • 豊富な(過剰な)
  • 外因性(外国産の)
  • 合成の
  • 複雑な

(ハイテクな食事について)

  • 人工物…でんぷんや糖脂質、タンパク質などもとの食材から取り出した成分を合成して、本物そっくりの食品を作ること。トマトの使われていないトマトスープや七面鳥タンパク質を固めて七面鳥料理のように加工したものなど。元の食材の栄養の質は保たれていない。
  • 死んでいる…生の食材は傷みやすいので、冷凍乾燥調理によって傷みにくくしている。腐敗や酸化を防ぐため、化学物質も加えられる。ビタミンやミネラルを除くことで、菌の繁殖も抑える。高額で、安定して、甘くて、健康によくないものを作り出している。
  • 陳腐な…加工し過ぎた食品は、枯れていて陳腐だ。
  • 単調な…スーパーには15000~20000点の商品が並んでいるのに、朝食コーナーの50のメニューからどんなに幅広く選んでも、麦と米と砂糖しか我々は口にしない。ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸が欠乏する。同じものばかり食べていると、その食品に対するアレルギー反応が出現しやすくなることも問題である。
  • 毒のある…人をすぐに殺せるような足が太っているわけではなく10年単位で長く摂っていると慢性疾患に陥る。食品に添加される化学物質は動物実験で安全性が確かめられているが、検証には限界がある。その理由は3つ。幼少期の成長に影響がないか調べられているが、テスト期間はとても短い。さらに実験は単独投与で行われるが、複数の化学物質が組み合わさった場合の検討は行われない。そして、実験動物たちは適切な栄養を摂っているので、毒性に対して抵抗力がある。
  • 豊富な…というか、ありすぎる。戦争でもない限り、ハイテク社会に飢餓はない。逆に人類の25%は肥満。砂糖や脂肪分は過剰でハイカロリーだが、ビタミン・ミネラル・食物繊維は不足している。
  • 外因性…まったく気候の異なる場所から食材が集められている。スウェーデンなどの寒い国でもトロピカルフルーツを食べられるが、寒い地域で必要な不飽和脂肪酸はトロピカルフルーツには少ないなど気候と食物の組成が合わない。
  • 合成の(人工的な香味付け)…化学調味料は栄養面では何の役にも立っていない。よほどの問題が起こらなければ市場から消えない。私たちの味覚をだめにする。
  • 複雑な…たくさんの材料を組みあわせている。それぞれの材料が添加されるには、安定性を保つ、崩れにくくするなどの理由がある。加工途中で失われた栄養を補うこともある。問題は、消費者には何が含まれているかわからないことである。アレルギー物質が含まれるかもしれないし、複数組み合わせることで毒性を生じ健康に害を及ぼすかもしれない。天然の素材に比べて複雑な加工食品は、ラベルの記載も複雑。加工食品は生体にとって異物である。

・これら9つの形容詞に対して、自然で分子整合的な食事については、自然界や動物園で動物が食べているようなものである。魚は別の魚を丸呑みする。ライオンは殺した動物を丸ごと食べる。虎はステーキを切って食べたり、冷凍保存や干肉として保存することもない。家畜の草食動物だけは刈って乾燥させた干し草を食べるけど。

ひとりごと

素材のままの食べものに対する加工食品の特徴についてが今回のメイン。
「オーソモレキュラー医学入門」のP.22あたりに今回とほぼ同じ内容が書かれているのを見つけて、ちょっと訳し方が雑になっているので、気になる人はこちらの本でも確認してみてください。

オーソモレキュラー医学入門

オーソモレキュラー医学入門

次回、「そのままの食事」についての解説に続きます。