ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

右脳と左脳と、赤と青の謎にちょっぴり近づく。

今日はちょっぴり手短に

普段は通勤の時間などにちょっとずつブログ記事を書き進めているのですが、今日は仕事の帰りにどうしても寄り道したい所があって乗り換えしながら帰ってきたので、ゆっくり記事を書く時間が取れず…。

寄り道の目的は無事達成できたのでとてもハッピーなのですが(このことは後日ご報告するかも)、早速記事の本題に入ります。


いよいよ、感覚運動エクササイズの章へ

「薬に頼らず家庭で治せる発達障害そのつき合い方」、やっと待望の第10章に突入しています。

薬に頼らず家庭で治せる発達障害とのつき合い方

薬に頼らず家庭で治せる発達障害とのつき合い方

原始反射の統合をまず進めることについては、前回の記事に書きました。

その先の左右の脳半球のバランスを整えるためのエクササイズは、特に前庭覚・固有受容覚に関するエクササイズなど第9章のアセスメントで行ったものと重なる内容も割とあるようです。

自分の中でちょっと不思議だったのは、視覚に対するエクササイズに出てきた図(p.308)。

f:id:nao-chun:20191118210254j:plain

ええと、どういうこと?
暖色系は左脳を刺激しやすく、寒色系は右脳を刺激しやすいってこと???

…でもこの図を見て、ふと思い出したことがありました。

またしても、「エクストラ・レッスン」!!

以前記事にした、シュタイナー教育に基づいた「エクストラ・レッスン」。

この本にもやはり、赤と青のことがたびたび登場するのです。

美術に疎い私には「カーマイン・レッド」「コバルトブルー」「ウルトラマリン」などのオシャレなネーミングの色がいわゆる赤や青とどう違うのか不思議でちょっと頭に引っかかっていたんです。

さらに、この本に出てくるアイ・カラー・アフィニティーという課題で「(青い)月と(赤い)太陽が正しく配置される(p.65)」という意味がわからないままでいました(下図はp.64)。

f:id:nao-chun:20191118210225j:plain

目はそれぞれにはっきりした機能があります。左目は空間を走査して眺め、一方右目は、弓矢を的に定めるように、ある特定の点を選び出し、焦点を合わせるのが得意です。エルンスト・レースは著書「人と物」の中で、観察の結果から左目は青、右目は赤に客観的かつ生理的な関連があると述べています。(pp.60-61)

あああー、そういうことか!!
視神経の交叉は実はちょっと複雑なのですが(気になる方は視交叉半交差などのワードでググってみてください)、視野の右側にあるものは左脳へ、視野の左側にあるものは右脳へ送られるようになっています。

だから、視野の右側を赤で刺激すると左脳に届き、左側を青で刺激すると右脳に届くからそれが生理学的に「正しい」配置になる、ということだったんですね。

これまで考えもつかなかったことなのに、複数の情報を絡み合わせることでするっと繋がったのがとても面白く感じられてちょっと興奮してしまいました。

絵画鑑賞や子どもの描画を見るときにも何か気づきが増えるかもしれません。

私の学習欲がまだウキウキ脳内で踊っていますが、引き続きこの読書を楽しみたいと思います♪