ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:治療(2) 栄養の処方…ビタミンC(後半)

火曜日恒例、ひとり読書会。
今日はビタミンCの話、後半。

もちろん、この本のなかの一部です。

ビタミンC(アスコルビン酸

・ビタミンCは統合失調症に対する治療効果もある。乳がんで乳房全摘した後、炎症を起こして潰瘍になったことを契機に統合失調症を発症した女性が入院してきた。主治医は電気痙攣療法(ECT)を行う予定だったが、3日延期してもらい、毎時1gずつ、48時間かけて45gのビタミンCを投与した。3日後、主治医は彼女を正常と判断してECTは中止となった。潰瘍は初めて改善し始め、数日後精神的に正常な状態で彼女は退院した。ビタミンCの大量療法は安全で精神病に有効とわかって以降、重症患者には不安と緊張を和らげるため1日10g以上のビタミンCを投与している。統合失調症の再燃の可能性を高めることになるウイルス感染や風邪にも罹りにくくなる。

・ビタミンCはレモン汁と同じくらい弱い有機酸なので、胃酸の酸性度に与える影響は少ない。酸味が苦手な人もいるが、ナトリウム塩、カリウム塩などアスコルビン酸塩の形でも服用できる。スーパーグラムプラスのような、ナトリウム塩だけでなく亜鉛マグネシウムモリブデンなどの微量元素との塩も含むアスコルビン酸塩製品もある。30年で20例ほどだが、ビタミンC不耐性の特異体質の人もいる。ほとんどの合成ビタミンCはトウモロコシの糖から作られるが、他の糖由来のビタミンCを試すことを勧める。尿中排泄を軽減するため、1日数回に分けて摂取するのがよい。

・ビタミンC使用への反対意見は、ビタミンCは尿中に排泄されるので1日数mg以上摂るのは無駄だというものだ。ビタミンCがどれほど吸収されどれほど排出されたかを無視している人だけが言える、バカげた議論だ。必要なだけ吸収されたら残りが尿中に排出されるので、もし誰かが死なないよう50gのペニシリンを服用したら大半は尿中に排泄されるだろう。ビタミンCに関して言えば、たくさん体内に取り入れるほど、たくさん体内に保持され利用される。我々の初期の研究では、慢性統合失調症患者に90gのビタミンCを注射したところ、尿中には一切出てこなかった。1gしか投与しなければほんのちょっとだけ体内に残るが、10g投与すれば何gかは排泄されても何gかが体内に残るだろう。体にたくさん保持させるには、投与量を増やさなくてはならない。

・脳機能障害のある子どもたちには、1日500ミリグラムから開始し、子どものニーズに合わせ2倍か3倍まで増やす。この低容量では病態を治癒はさせないが、非常に有益だ。風邪やインフルエンザへの罹患をぐっと少なくする。カロケリノス博士によると、アスコルビン酸は子どもたちをワクチンの副作用から守る。親たちには子どもが注射を受ける前に少なくとも1gのビタミンCを飲ませるように助言する。私はワクチンを打った日に痙攣を起こし、後遺症残した子を2人知っているが、こうしたことがビタミンCで予防できるのだ。

・ビタミンCの適正量は便が緩くなったり大量のガスが出たりする量である。危険ではないが、不快だ。ビタミンCのこうした作用は緩下剤として使えるという意味で強みとなる。

・経口摂取できる、ビタミンCの最大推奨量は一日75gだが、お腹を壊す量を超えているので耐えられる人は僅かだろう。大多数の人は1日12グラム以下が適切だ。量は本人や家族が決めればよい。消化器症状を起こさない量が理想。20gでお腹を壊すなら、適正量はおよそ18gだ。体がビタミンが必要としていれば、その耐容量も増える。私自身は自分の健康状態によって、適正量が3gから30gで変化する。体がもっと必要とするなら、たくさん飲めるよう鍛えることもできる。オーストラリアではエイズ患者は毎日200グラム摂取するよう鍛えられている。経口摂取でたくさん飲めなければ静脈注射する必要がある。200gまでは静脈注射で消化器症状を起こすことなく数時間で滴下できる。

ひとりごと

やはりビタミンCは大量に摂取したほうがよさそう。今私は1日9g摂っていますがお腹を壊したことなんて一度もありません。足りてないんだなぁ…。それにしても電気痙攣療法不要になった女性のエピソードも衝撃的。精神症状にも手術痕の炎症にもビタミンCが大量に必要だったということですね。