ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

脱・普通科な進路を目指す受験生へのリスペクト。

専門性のある高校へ進学すること

診察室でお会いするお子さんたちの何人かは、毎年普通科ではなく専門性を持った高校へ進学していきます。
たとえば工業高校や商業高校であったり、看護科や国際科や理数科クラスであったり、調理コースであったり。

高校に入る時点で「自分はこれが好き、これがやりたい!」とイメージをはっきり持っている子どもたちってすごいなぁ…と純粋に尊敬します。
中には「数学がすっごく苦手だから、英語に集中できる国際科がいい」とか「普通の5教科をみっちりやるよりは早く手に職をつけたい」といった、見ようによっては消極的な理由で選択しているようなお子さんもいるけれど、それでも無難になんとなくみんなと同じ進路を選ぶのではない道を自分でわざわざ選んでいるわけで、それはやっぱり積極的な行為だと思うのです。

積極的な選択の結果

こうして積極的に脱・普通科を選択したお子さんたちとその後お会いしていると、本当に中学のときとは違う充実した様子・明るい姿を見せてくれることが多くて。

今の学校生活を自分で選びとった自信や責任が子どもたちをひとまわり大きくするのかもしれないし、何でもみんなと同じでないといけなかった義務教育期間を終えて興味のあることに取り組める環境や同じことに関心のある仲間を得てエネルギーが満ちているのかもしれません。

一方で、専門性の高い進路を選んだけれど学校に合わないと感じてしんどくなって受診されるお子さんもいらっしゃいます。
せっかくこの学校を選んだのに…と無念そうだったり、こんなはずじゃなかったと落ち込んでいたり、それぞれの思いがあるようです。

でもそもそも、あえてみんなと違う道を選ぶというリスキーな選択をした結果なんだし、入学してみないとわからなかったこともいっぱいあっただろうし、勇気ある撤退(という名の転校)も視野に入れながら高校生活のプランを軌道修正すればいいこと。

そのハイリスクな道をお子さんが選ぶのを認めてくれた親御さんの懐の深さは尊敬に値すると私は思っていますし、勇気ある撤退も含めてお子さんの決断を柔軟に見守ってくださるのもやっぱり誰にでもできることじゃないなぁと思うのです。

さて、今年も…

昨年末の懇談で公立高の推薦をもらえたというお子さんに今日お会いしました。
その子もまた、脱・普通科な進路を志望しているひとり。

特に中3になって普通科に行かないと決めてから、明らかに本人の真剣さのギアが上がったのをずっと見守らせていただいていましたし、もう応援する気持ちしかありません。

勇気のある決断と努力が、どうかよい形で実りますように…!

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