ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

意外? 当然? 診察に来たくない理由を聞いてみる。

次回予約を決めるとき

お子さんと親御さんに診察に来ていただいて、たいてい最後にすることは次回予約日の決定。

土日に開いていないうちの職場では、どうしてもお子さんに学校を早退や遅刻の形で抜けてもらうことになりますし、予約日は主に親御さんのご都合などで決まることが多いのです。

でも、ときどきお子さんから「水曜日がいい」とか「金曜? 朝はダメ、午後にして」とかリクエストが出ることがあります。

えっ、何? なんで?

こんな時の私の対応は決まっています。
お子さんの希望、最優先(笑)。

親御さんに本当にその日時で大丈夫かをもちろん確認して、極力お子さんのリクエストに合う時間帯で予約入れます。

それから「なんで金曜の午後なの?」と教えてもらうのです。

お子さんによって理由はまちまちなのですが、
「午前の体育は休みたくない」とか「音楽の授業には出たいから」とか、大好きな科目が受診で犠牲にならないように考えている子が結構多いのです。

おおおー、そんなに好きなんだ。
休みたくないぐらい楽しみな授業があるなんて素晴らしい♪

水曜日がいい、という子の中には「週の真ん中で休憩を入れたら、あとの日はまあまあがんばれる」というパターンがそこそこの割合でみられます。

そっか、毎日通うと疲れるんだね…。
毎月1回、週の真ん中でちょっと休憩するのって計画的でいいね♪

こういう子どもたちには、診察そのものよりも「休憩所」みたいな意味合いが大きいのかもしれません。

どんな理由だっていいじゃない?

毎年のことですが、「給食にクリスマスケーキが出るから」「ひなあられがつくから」と給食のイベントを期待して診察を避けようとするお子さんもいらっしゃいます。

その多くは、学校をあんまり楽しめていない子。
でも、学校生活にささやかな楽しみを見つけて、それを楽しみに「あの日は学校行くぞ♪」と思えているのはやっぱりポジディブでいいな、と思うのです。

そういえば以前、不登校のお子さんが不定期に登校するのを観察しておられた担任が「あの子が登校してくるのは、ほぼカレーかハヤシかソフト麺の日だけなんですよ。給食メニューで学校に来る日を選ぶんじゃありません、ってこの前注意したんですけど」と電話をくださったことがありました。

なかなか見抜きにくいこの子の登校の法則(!!)を発見した先生の観察眼には脱帽です。

私としては、楽しみなメニューのために朝からがんばって登校するなんてなかなかやるじゃん!と思ったのですけど、先生の剣幕に思わず口をつぐんでしまいました。

できることなら先生、給食のメニューよりも本人が魅力を感じられるような楽しい時間を学校生活の中にぜひたくさん作ってあげてください、ともお伝えしたかったのですけどね…。
今でも心残りです。

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