ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

ポーリング博士のことばが、時を超えて胸に響く。

古くてもいいものはいい!

ちょっと前に図書館で借りてきた、こちらの絶版本。

ポーリング博士の快適長寿学

ポーリング博士の快適長寿学

冒頭から読み進めながら鋭い語り口にビリビリきていたのですが、目次を見たときからどうにも気になって仕方がない章があったので、先にそちらを読んでみることにしました。

「IV ビタミンと薬」の始め、「25 医学界とビタミン」。
何ともそそられるタイトルです(笑)。

ビタミン迫害の歴史

この章では、ポーリング博士が「ビタミンCとカゼ」に書いた内容が医学界にはどうしても受け入れられなかったという話をご本人目線で延々と語ってくださっています。

又聞きだけで「ビタミンCは効果がない」と地方新聞に寄稿する医師、

ビタミンCを飲んだ被験者はひとり当たりの総有症状日数が短縮し、発生率が減少し、症状が軽減しても「大きな影響はみられなかった」などとアブストラクト(要旨)には書く医師たち、

ビタミンCは効果があったという論文を引用するとき、その効果の部分をわざと矮小して書く医師がいたこと。

批判に対する反証論文を書いて送ってもリジェクト(掲載拒否)されたり、査読期間で半年以上保留にされて世に出せない状態にされたこと。

「ビタミンCが腎結石の原因となる」と根拠もない文章を載せる大衆誌があったことも書かれていました。
以前、ひとり読書会にもこのエピソードは登場しましたね。

…えっ、ビタミンで治療?!
と怪訝な顔をされるのは何も今に始まったことじゃないということがビシビシ伝わってくるエピソードが、ここに挙げた以外にももっと組織的な迫害や弾圧も含めて満載でした。

状況は少しずつ変わりつつある(1980年代半ばのこと)

それでも、一般の人たちビタミンによる健康増進を試みるようになり、医師も個人レベルではビタミンの効果を認めるようになり始め、少しずつ世の中は動いているのを感じる…とボーリング博士が述べていらっしゃるのが1984年頃のこと。

そこから35年経った今の日本。
当時のアメリカとそれほど大きく状況は変わっていないような気もしますが、それでもビタミンやミネラルでの治療を行っただけでカリフォルニア州の医師免許を剥奪された医師がいたり、国際シンポジウムに参加したいのにパスポートが発行されなかった時代に比べれば、やはり前進しているのかもしれません。
先人達の積み重ねに感謝です。

医師は、医療の実施においては慎重でなければならないが、それとともに、医学に進歩があったときには、新しい考えに対して閉鎖的であってはならない。

というこの章の言葉が脳内に重く響いてきます。

今シーズン、私も息子もビタミンCやDその他のビタミン・ミネラルに守られ、インフルエンザはおろか風邪ひとつひくことなく無事に過ごせたことに感謝❤しつつ、先人の知恵を自分の周りのひとたちに還元できるよう、もっと学んでいきたいと思います。