ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

制服! 髪型! 校則への真っ当な不満に唸る。

制服への不満をお聞きする

制服を着たくない、という患者さんにお会いしたことがこれまで何度もあります。

理由はそれぞれにあって、

  • 暑くても冬服の上着を脱いではいけないといわれる
  • 性別違和(性同一性障害)があるのにスカートを履かなくてはならない/スカートを履かせてもらえない
  • そもそもなぜみんな同じ服を着ないといけないのかわからない

など、みんないろいろと思いを語ってくれます。

スカートに関しては、男女ともにブレザーにネクタイ/リボンやスラックス/スカートを自由に選べる学校も少しずつ増えてきているようですね。

大きな話題を呼んだこちらの漫画でも、主人公の女の子は(性別違和ではありませんが)スラックスを選択して登校していましたっけ。

校則への不満もいろいろある

制服に限らず、もっと細かな校則に納得いかないという思いを語ってくれる子どもたちもいます。

何でも自由でOK、と認めるのも学校としては難しいと思うのですが、あまりにも細かい規制が多すぎて子どもたちも大変なようです。

特によく聞くのが、髪型。
いつも神経質に前髪の長さを気にして毎日切らずにいられない子、髪が伸びるのが早くて頭髪検査を前に頻繁に床屋に行かなくてはならず、お母さんに散発代ちょうだいと言ったら「お金ばっかりせびって…」と怒られるとこぼす子、…。

どうして前髪が眉毛にかかるかどうかに目くじらを立てなくてはならないのか(目にかからなければいいんじゃないの? と思ってしまいますが)誰も合理的な説明をしてくれないのに、よくぞ真面目にルールに従おうとするなぁ…と子どもたちの努力に敬服してしまいます。

今まででいちばん唸らされた主張は?

頭髪については「ロングヘアなら地味な色のヘアゴムで括ること」みたいなルールが通常あるだろうと思います。

でも。
それってたぶん女子だけですよね?

「女子はロングでも括ればOKなのに、どうして男子は伸ばすことも認められないのかわからない」と憤慨していた男子中学生がいて、返す言葉もありませんでした。

私が彼と会ったときにはもうスッキリ短髪だったのですが、小学生時代にはヘアドネーションしたくて髪をすごく伸ばしていたのだそう。

「中学では伸ばしちゃいけなくなると言われて、納得いかなかった。でも、もしも先生が伸ばすのを許可してくれたとしても、他の子の髪型が自由じゃないなら結局周りには変な目で見られるんじゃないかと思って諦めた」と。

誰かの役に立ちたいという彼の熱意は素敵だけど、そのために仲間のなかで窮屈な思いをしたくもない。
それで、ヘアドネーションの夢は、高校卒業後まで延期することにしたのだそう。

校則に素直に従えるのもいいこと。
そして、納得できなかったときに校則とどう向き合うか自分で判断するのもやっぱりいいことだなぁと思うのです。