ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

学習支援のプロに学ぶ、支援するとき絶対実施しないといけないこととは?

学習支援について学ぶ

今日は地域の勉強会に参加してきました。

テーマは、学習支援。
学校で子どもの学習の苦手さをどうアセスメントし、どう支援するか、というお話。

先生のフランクな語り口調と興味深いお話の内容にグイグイ引き込まれ、あっという間に講演時間は終わってしまいました…。

アセスメントは大事!

冒頭の「アセスメントなしに支援はあり得ない」という言葉がまずズシリと心にのしかかります。

支援する大人は、子どもの状態をいろいろ想像してあれやこれやとさまざまな支援を提供してみたくなるはず。

「この方法ではイマイチうまくいかないな」という試行錯誤の繰り返しは、大人にとっては有効な支援を絞り込むための前進の一歩一歩かもしれない。

でもそれは、子どもにしてみたら「またうまくいかなかった」という失敗体験の積み重ねになってしまう。

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ただでさえうまくいかないから特別支援を必要としているのに、そこで失敗体験させてしまったら余計自信を奪ってしまうことになりますよね。

これを予防するためには、初めからアセスメントをしっかり行って「この子はなぜうまくいっていなかったのか」を突き止めてから、うまくいくはずの支援を見極めて提供すればいい。むしろそれしかない! というのが先生のお考え。

…なるほど、確かに!!
闇雲なチャレンジは子どもに負担を与えるだけになりますよね…。

診断についての考え方に納得!

先生が子どもたちに学校で会うとき、たとえばADHDなどの発達障害の診断名を子どもや親御さんに伝えることはないとおっしゃいます。
「それは医師の仕事だから」と先生。

でも、特性としては伝えるのだそうです。
その方針には私も100%賛同します!

ただし。
学習障害だけは伝えるのだそう。
学習障害の定義は文部科学省が作っているから」…これまたとても納得できます。

精神科医が習う(ICDやDSMで定義された)学習障害の診断定義とは別に、文部科学省が定めた学習障害(学習困難症)の定義があって、微妙にその内容は違うのです。

だから、医学的診断とは無関係に学校の先生方のご判断で「この子は学習障害がある」と伝えたり支援を始めてくださったりするのはごく当然のことだと…。

そして「学習障害への支援は、教育現場に任せていただければ大丈夫。こちらが専門でやりますから」と先生。
なんて心強い!!

本当にどの学校の先生方もそんなお気持ちで子どもたちの学習をサポートしてくださったらありがたいなぁ…信じていい、です…よ、ね?