ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:治療(3):ビタミンと薬物療法(ビタミンB6)

火曜日恒例、ひとり読書会。
今日はビタミンB6です。


読んでいるのは、引き続きこちらの本。

ビタミンB6

ピリドキシンは、私が使用してきた1日750mgまでの量では深刻な副作用は何も起きない。イライラが起こるかもしれないが、マグネシウムと組み合わせることで抑制できる。マグネシウムを常に添加する必要はない。

ピリドキシンは、動脈硬化、心臓病、脳卒中からの保護に関連する営業としてますます注目を集めている。ホモシステインを無毒なシスタチオニンに変換するのに欠かせない栄養素のひとつである。私はこのことを、別の不可欠な栄養素である葉酸の存在下で議論してきた。ハタースレイ氏がアテローム硬化の進展とピリドキシンの関係の概要を示してくれた。彼は、南アフリカヨハネスブルグで働く医師の先駆的研究について知り、興味が湧いたという。内科医のサズマン博士が、アテローム硬化はビタミン欠乏症だという理論を打ち立てたのだ。彼は複数のビタミンやミネラルの欠乏、なかでも主にビタミンB6の欠乏によるものと考えた。彼は、ピリドキシン200mgと葉酸5mg、そしてビタミンEを100-600IUを1日量として毎日投与(他のビタミンも少量使用)した研究の要約を発表した。62人の典型的な心疾患患者を平均52ヶ月フォローしたところ、再梗塞を起こしたのは4人(うち2人が致命的)であった。エリス博士は長期間にわたって手根管症候群ピリドキシンを用いて、非常に良い結果をあげている。彼はまた自分の患者たちがこのビタミンを摂ることで心臓発作が非常に少ないことも確かめている。

・副作用は非常に少なく、あっても軽微で一時的なものである。その大半は、複数の医学部から集められた、1日2000-6000mgを服用している患者たち数名から得られたものである。しかしこの論文は極めて不適切である、というのも、患者たちがその他の栄養素も取っていたかどうか、またどのような食事をとっていたかということは記載されていないからだ。この患者たちは末梢神経炎を発症しており、それは1年後に治癒した。だがこの報告に基づいて、ビタミンB6には毒性があるという考えが受け入れられている。しかし、マークス博士はこの迷信を次のように打ち破っている。「高容量のピリドキサミンが肝障害をもたらしたり、リボフラビンの正常機能に干渉したり、依存状態を形成したりすることがある、と主張されている。依存状態は起こりうるとしても、それ以外の主張には科学的データでの実証はされていない。そして依存状態は非常に一過性である。」

ひとりごと

ビタミンB6まで風評被害?に晒されていたのかと改めて知って驚きました。私が初めてB6の向精神作用を知ったのは、グルタミン酸をGABAに変換するときにビタミンB6が不可欠、という情報からでした。せっかく抑制系伝達物質GABAを増やしてくれるビタミンB6なので、副作用のイライラで台無しにならないよう、必要時のマグネシウム併用はしっかり意識しておきたいですね。