ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

唯一のコツは「一緒に本気で楽しむこと」?!

ひきこもり傾向のある青年たち

不登校状態や自宅にひきこもりがちな青年が診察の場に出てきてくれるようになったとき、1対1で話すだけじゃなく、小さなグループに参加してもらうことがあります。

f:id:nao-chun:20200311213812p:plain

少なくとも今は、人と関わることが基本的に苦手な状態。
それでも診療機関には来ることができるし、支援者とは話せるようになっている。

それなら、来ることができるようになった場所で、どうにか安心して会える人を増やしていけばいいんじゃない? というのを目的に始めたのが小グループ。

参加者さんたちと複数スタッフで、計5-6人程度の小集団です。
同じメンバーが定期的に数回集まって活動する機会を作っています。

小グループでやりたいのは…

あまりに自由度が高い集団だと、何をしたらいいか悩んだり手持ち無沙汰になったりするかもしれないので、いちおう前半には心理教育的なことやソーシャルスキルレーニング的なこともやるのですが、メインはどちらかというと後半の「楽しい活動」。

そのときの参加者さんたちにあらかじめどんな活動がしたいかをお尋ねしておいてスケジュールを組み、各回でその決めた活動を全員一緒に楽しみます。

楽しい活動を、本気で楽しむ

楽しい活動としてよくあがるのは、卓球やバドミントンなど部活動で経験のあるスポーツ。
お菓子作りや手芸・工作など、趣味でやっていることを提案してくれる人もいます。
好きな曲を持ち寄って紹介し合う、なんて企画もありました。

正直なところ、ネタは何でもよくて(笑)。
参加者さんが「自分はこれをみんなとやりたい!」と声をあげてくれたことにスタッフもノリノリでのっかることが肝だと私は思っています。
実際、ホントに楽しいですしね♪
ひょっとしたら、ひょっとしなくても、「これも支援の一環」という大義名分のもとで自分たちの方が楽しませてもらっているのかもしれません…。

そして意外なことに、参加者さん同士もお互いの提案に文句を言ったり顔をしかめたりすることなく、自分の提案した回以外の活動にもちゃんと参加してくれるんです。

お互いに相手を受け入れる、安心で安全な場所。
そして同じ体験を共有することで、少しずつ心の距離も縮まっていく。
そんな少人数グループが大好きだし、こんなことを自由にさせてもらえる職場に感謝しています。