ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:治療(3):ビタミンと薬物療法(トリプトファン)

火曜日恒例、ひとり読書会。
今日はトリプトファンです。


読んでいるのは、引き続きこちらの本。

トリプトファン

アメリカでは多くの人がトリプトファンは毒だと恐れているため手に入らない。その毒性は純粋なアミノ酸ではなく混合物質によるものだとわかり、このアミノ酸は今も販売されているが、今もFDAと健康食品産業やトリプトファンを非常に上手く活用している臨床医の間で大きな議論に中心となっている。カナダでは、健康食品の店舗でも、処方薬としても入手できていた。健康食品店からは引き上げられたが、この議論が続く間、トリプタンという名称の処方薬トリプトファンは自由に販売されたりされなかったりしてきた。

・ことの顛末はこうだ。1989年10月にニューメキシコに強い疲労感と筋肉痛が出た人たちがおり、白血球も上昇していた。その全員がアミノ酸を摂っていた。この状態は後に好酸球増多筋痛症候群と呼ばれ、アメリカの各地やヨーロッパで報告された。症候は、痛み、四肢の腫脹、神経障害を含む重篤な筋肉症状などであり、好酸球数増多もみられた。1990年8月までに、死者27人を含む1500以上のケースが報告された。1989年11月、トリプトファンのサプリが供給停止になり、数ヵ月後にはトリプトファンを含有するすべての製品が停止になった。

・しかし、疾病管理センター(CDC)はこうした問題は混合物質によるものだと示した。アメリカで使われていたトリプトファンはすべて、日本の6つの会社で作られていた。1990年10月、サキモト氏がトリプトファンから不純物を分離した。胃液のような酸性の液体の中でトリプトファンと毒性物質に分解されていたのだ。こうしてトリプトファンは安全で有効な物質だとわかったが、FDAは今も使用禁止としている。健康食品業界は、これは科学的データに基づくものではなく政治的決定だと考えており、抵抗を続けている。

ひとりごと

トリプトファンは有害という説が流れたのは日本製トリプトファンのせいだったと耳にしたことがありましたが、やはり本当だったのですね…。
トリプトファンを含まないEAAで不眠になって、トリプトファンの重要性が身に染みた自分としては、なんとかトリプトファンの名誉回復と流通再開を願うばかりです。