小学生に「勉強してよかった」と満足感を与えるには?
Satisfaction(満足):「勉強してよかった」と実感させる
小学生の子が勉強にハマる方法のレビュー、今日が最終回です。
4回目の今日のテーマは、Satisfaction(満足)。
せっかくがんばってきた勉強。
返ってきたテストの結果がたとえものすごくよくはなかったとしても、「勉強してよかった」と子どもが感じられた方が勉強に対するやる気がもっと湧くというもの。
そのために親にできることは? というのがこの章のテーマです。
フィードバックの伝えかた
お子さんがよい点数のテストを持って帰ってきたとき、「頭がいい」と才能を褒めるより「コツコツがんばったから」と努力を褒めるほうがいい、というのは昨日の「自信」の章で学びました。
「満足」という観点から見ると、テストの結果ではなく行動を褒めるのが大事になってくるそうです。
「90点取れたね」じゃなく、「毎日コツコツとドリルをやった成果だね」「前回のテスト直しもきちんとやってたもんね」など。
行動を褒めることで、お子さんに次に何すればいいかがわかりやすく伝わりますよね。
そして、フィードバックするときのコツは、
- すぐにフィードバックを返す
- 一貫性のある反応を返す
のが大切なのだそう。
間の抜けたタイミングで昔のテストのことを褒められても今さら感があってメッセージの意味が薄れてしまうし、機嫌がいいときは褒めるのにイライラしているときはイヤミを言うようではやっぱり子どもはどうしたらいいのかわからなくなる。
そして、褒めるときは他の子と比較せず、子ども自身の成長に注目するのがよいそうです。
他の子と比較されることで頭のよさや才能などに目が向いてしまいがちになりますが、自分の成長を褒められれば努力や勉強法に注目しやすくなりますよね。
もうひとつ、褒めるときには心から褒めることが大切。
どうしても「こんなこと、できて当たり前」と思ってしまうと、褒めていても白々しい気がしてくるかもしれません。
そんなときは、我が子の乳幼児期の発達を日々喜んだ頃を思い出し、ひとつひとつ昨日できなかったことが今日はできるようになったという新鮮な喜びをお子さんに伝えられるといいですね。
ARCSの4つを学んできて
Satisfaction(満足)の章ではさらに、ご褒美の与え方のとても具体的なコツや怒りたくなったときの対処法なども紹介されています。
怒りたくなったら、親が「2階の脳」をうまく活用することな大事だと書かれていました。なるほど、大人にも「2階の脳」は大切ですよね!
ARCSの4つの章を通して、子どもの勉強のやる気を高めるために家庭に取り入れられそうなコツをふんだんに知ることができました。
どんなことがあったっけ。
あれもこれもやってみなくちゃ…とはりきりかけたところ、『あとがき』がブレーキをかけてくれました。
「この本を読んで、すべての理論を理解し、すべてのアイデアを実行しようと思わないでください。『心』が疲れてしまいます」と。
そして、子育てにもARCSの4つを取り入れて、と誘ってくれているのです。
子育ても、子どもの勉強と同じで、義務感で無理やりがんばらなきゃいけないと思ったらイヤになりますもんね。
折に触れておさらいしながら、少しずつ親子関係のなかに取り入れていけたらいいなと思います。
とてもわかりやすくて実用的な1冊。
気になった方はぜひ読んでみてくださいね。