ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

そのお子さんの状態は、決して子どものせいじゃない。

年度末の報告

この頃よく診察室でお聞きするのは、年度末の報告。

こじんまりと行われた卒業式。
全員マスク着用、歌わない、卒業証書は教室で担任が配るなどの異例づくしだったとか。

最終学年でなければ終業式もなくぬるっと学年が終わり、通知表だけは親または子どもが受け取りに行ったとか。

休校措置はどうやらこれ以上伸びないようなので、来年度に向けてはひとまず安心ではありますが。

よく聞く親御さんの不満

やっぱり、急に子どもが自宅に長くいることはいろいろな変化をもたらしたようです。

きょうだい喧嘩の増加、ゲームやYouTube漬け、生活リズムの乱れ、…親御さんからいろいろな悩みをお聞きしました。

たくさんの教育系コンテンツが無料公開されたりしていましたが、私のお聞きした限りではほとんど活用されていなかったようです。

「私の仕事は休みにならないし、私がPCを操作して見せてあげるわけにもいかないですし」と。
たしかに…。
もしかしたら、日頃からタブレット学習に慣れているお家ではうまく活用されていたのかもしれませんね。

「こんなときに外に出るなんて…」

親御さんの声をお聞きしていていちばん驚いたのは、お子さんの室内での過ごしかたにイライラしたり腹を立てたりしていらっしゃるのに「こんなときに外に遊びに行くなんて非常識」と断言なさる方が結構多いこと。

もちろん、休校で時間に余裕がある今がチャンスとばかりに家から出てカラオケやゲーセンのような閉鎖空間で大勢の人と接するのは感染リスクも上がりそうですね。

でもたとえば河原をジョギングしたり公園でサッカーやバドミントンをしたり、友達とまたは親子で外に出て軽く身体を動かすことはむしろ必要なんじゃないのかな、と思うのです。

「出掛けちゃダメ、家でしっかり勉強を」では、お子さんのフラストレーションは溜まる一方…。

お子さんがゲームや動画ばかり見るのは、お子さんの自制心の問題じゃなくてコロナウイルスのせい。
一時的には仕方ないことかもしれないし、お子さんだって暇があるのに外に出られなかったら特にそうしたいわけじゃなくてもするしかなくなりますよね。

コロナが心配で家からお子さんを出さないようにしていたという親御さんには、ぜひ多少の外遊びは許してあげてほしいと思います。
文部科学省も『学校臨時休業等に関するQ&A (子供たち、保護者、一般の方へ)』のなかで「子供たちの運動不足やストレスを解消するために運動の機会を確保することも大切」と言ってくださっていますし。

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どうぞよろしくお願いします!