ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:確証のための情報(2)臨床試験:「100人」研究(前編)

ひとり読書会がますます実践的な内容になってきて、読みながら興奮がおさまりません。

今日もはりきって行きましょう♪

読んでいるのは、こちらの本です。

確証のための情報(2)臨床試験:「100人」研究

・1967年7月1日から1973年6月30日までの間、私は14歳以下の子どもたちを100人以上診てきた。1973年7月から8月にかけて、当時マギル大学医学生だった私の息子ジョン・ホッファーが、サスカトゥーンとその周辺地域から半径50マイル以内にいる13歳以下の子どもたちをすべてに調査を行った。彼らが私のオフィスに来られない場合、ジョンは彼らの家を訪問して患者や両親と話をした。ジョンは、各ケースをまとめ、報告書を作った。このケース数は、1967年7月1日から1973年7月1日の間に私がサスカトゥーンとその周辺の地区で診た子どもたちの約6割に匹敵する。サスカチュワン州の他の地域で見た400人の子どもたちとの差はなく、1976年にビクトリア州に引っ越してきてから診た子どもたちともほぼ同じである。

・私の関心は、分子栄養医学的治療への反応だ。これは、行動評価尺度(多動性尺度)の結果と、4つの改善指標を用いた。(表内に示された)臨床反応は、4つ改善指標の数字コードで示されている。最初の数字は症状の有無、2番目の数字は家庭での行動が正常であったかどうか、3番目の数字は学校での行動が正常であったかどうか、最後の数字は社会的行動全般を表す。したがって、1111点というのはすべての分野でその子が正常であったことを意味s、0000のスコアはすべての領域で異常であったことを示している。0101のスコアは、学校や一般的な行動では正常だが、症状はまだよくなっておらず、家庭でもまだ悪い行動をしていたことを示す。4点(4項目の合計点で)を正常、3点はかなり改善、2点は改善、残りの1点・0点は不変と評価した。私(A.H.)は、ジョン・ホッファー(J.H.)が最終的な評価をしたのとほぼ同じ時期に、多くの子どもたちに会い、息子の結論に同意した。また、可能な限り初診時の多動性尺度のスコアとフォローアップ時のスコアを比較した。以下の表は、これらの110症例に対する治療結果をまとめたものである。
[110例の表あり。]
それぞれの子どもの治療歴の説明は次のセクションで示すが、これらのケースを理解するのに役立ついくつかの一般的な観察と結論を最初にまとめておく。

【年齢】
・この調査では、通常の比率どおり男子が女子よりも多く、男子 80 人:女子 30 人となっている。今回の対象者や他の研究の対象者も、なぜこのような割合なるのかを示す研究はない。私はこれまで1500人以上の子どもたちを診てきたが、ここでも男女比はおよそ4対1であった。 このことは、男性が女性よりもビタミンB3かビタミンB6、またはその両方を補充する必要があることを示唆する。この考えは、ビタミン療法に反応する女性の方が多いというこのシリーズの結果からも裏付けられている。30人の女性のうち、17人(57%)が最終評価時に正常の評価だったのに対し、8人の男性では26人(33%)しか正常と評価されなかった。女性であることは、学習障害や行動障害の発症を防ぐだけでなく、発症してもそれほど重症にならず、メガビタミン療法によく反応する。

【遺伝要因】
・ 110人の子どもたちは91家族から参加していた。両親ともに病気でビタミンB3依存なのは3家族、16家族で母親のみ、13家族は父親のみ、また2家族は兄弟姉妹のみであった。91家族のうち、34家族で第2子がビタミンB3依存であった。両親は等しくB3依存であった。しかし、改善しなかった18人の子どものうち、5人は母親が統合失調症だったが、父親が統合失調症のケースはなかった。統合失調症の母親の場合、母親が子どもの世話を適切に行うことや食事やサプリメントの摂取を強制することが難しくなるため、おそらく有害な要因となっていると思われる。最も重要な変数のひとつは、サプリメントを確実に摂取させることができるしっかりとした親である。これができなければ子どもは回復しない。また、91家族中15家族で2人以上の子どもが今回の治療を受けた。

ひとりごと

あぁ、やっぱり面白い! いよいよどんな子どもたちにビタミン療法が有効で、どんな子どもたちには無効なのかという本質に迫りつつあります。
体質的に女子のほうがもともとリスクが低くビタミンの効果が出やすいというのも、予後因子のひとつが「親がきちんとビタミンを摂らせること」だというのも、とても興味深い総括でした。
早く続きを読みたい♥