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子どもの発達と感覚統合:第2章 感覚統合はどのように発達するか

自分のために感覚統合を学ぶ

感覚統合を語れるようになるためのひとり読書会。

子どもの発達と感覚統合

子どもの発達と感覚統合

  • 作者:A.Jean Ayres
  • 発売日: 1982/07/01
  • メディア: 単行本

雑なメモを残しながら読んでいきます。

第2章 感覚統合はどのように発達するか

第I部 感覚統合と脳、今日は第2章です。

・発達の早い遅いはあっても、子どもは同じ基本的順序にしたがって、感覚統合を発達させる。
・新生児は聴覚や触覚の刺激を十分に組織化できないためこれらはほとんど意味を持たないが、少しずつ何かを意味するのかわかるようになり、特定の感覚に集中しほかを無視することを学ぶ。
・運動の組織が無理を混乱させたような状況が年長児にとっては知識と満足を与えるものに変わっていく。

・適応反応とは、人が自分の身体と環境を創造的かつ有効に取り扱っている時の反応。適応反応ができる以前に、身体や環境からの感覚を組織化できるこ必要がある。適応反応により生じる感覚をさらに統合していくことになる。
・子どもは他の誰でもなく自分自身で適応反応と感覚に組織化を行わなくてはならない。幸い子どもにとって、感覚を統合し、適応反応を形成することは楽しいことである(例:子どもが自転車に乗れるまでのプロセス)。

・すべての子どもは感覚統合を発達させるための内的欲求がある。誰の指示がなくても、自然が内部から本人に指示を与える。

・子どもは、より複雑な成熟した発達の基礎になるブロックを積む。歩行であれば、首がすわる、座位、四つん這い、二足歩行。
・感覚についても、身体と重力場との関係を伝える感覚をまず発達させ、これが身体から離れているものの情報である視覚や聴覚の発達を助ける下地になる。視覚の最終産物は読むこと。全てのことは感覚運動の上に存在する。

・生後0:1:探索反射や把握反射は自動的反応。触覚は未分化だが、母子の接触は脳の発達と星の母子の絆の発達のために重要。
・モロー反射は内耳からもたらされる感覚による反応。赤ん坊を動かしたり、揺らしたりする穏やかな動きは感覚を統合し脳を組織化する傾向があり、子どもも心地よく感じる。
・乳児は抱いている人の腕と体に自分の体をうまく適合させる。2-3ヵ月ででたらめに手足を動かすことが多くなる。固有受容覚の発達につながり、成熟した巧緻性や運動能力の土台となる。
・視覚は母親の顔などをぼんやり認識する。動くものを目で追う→後に頭で追うことを学習。
・音に単純に反応することは言語発達のいちばん最初のブロックになり、小さな喉音によって生じる筋肉の収縮は言語野の発達を助ける感覚を生む。

・生後0:2~3:前庭覚と眼筋から、首の筋肉からの3つの情報を統合することでカメラと土台を安定させる。
・首の筋肉で頭を持ち上げる→腹ばいで胸を床から持ち上げる、背中の株を支えられると頭をまっすぐ立てて座る

・生後0:4~6:スプーンで机をたたくなど、粗大な運動で物理的な世界に影響する満足
・自分の手への意識…視覚と触覚と(手指の)固有受容覚の調整の始まり
・身体の前で両手が触り合う…左右両側統合の始まり
・自動的な動きから運動企画へ
・6カ月くらいでヒコーキ位…腹ばいで頭と胸と手脚を同時に持ち上げる、今後に重要な動き。
・誰かに動かされる遊びを喜ぶ

・生後0:6~8:移動の獲得が重要。ずりばい/四つんばいは多くの感覚の統合に寄与
・移動により空間と距離の知識を得る。距離判断、長さや大きさの判断につながる
・拇指と示指を使って小さなものをつまむ…目の正確なコントロールが必要、その前に四つんばいのとき発達した単純な目のコントロールの獲得がある
・運動企画盛んに…ベルを鳴らす、組み立てや分解、隠れたものや見えないものを探す
喃語…聞き慣れた語の認知、音には意味があると知る

・生後0:9~1:0:探索空間広がる、両側の協調、運動企画、視知覚発達
・手が正中線を越える動き、道具の使い方の学習
・ひとり立ち…前庭覚と固有受容覚の統合の最終産物!
・ことばの理解、発語は2-3語

・生後2歳:歩く、話す、複雑な行動企画…1年目の感覚統合がなければ非常に困難なはず。さらに2年目の統合はその後の発達の土台に。
・触覚定位…触られた場所がおおよそ分かる。運動今日も企画能力に影響。ボディイメージ、ものの操作にも影響。
・あらゆる動きを試す…物理的環境との相互作用は食料や愛情と同じくらい必要
・身体知覚は身体操作に役立つ
・横移動に加えて縦移動=登る
・指示の理解、従うことの学習、発語の発達
・自我、独立した自分→イヤイヤ期

・生後3~7歳:たくさんの人との交際が可能な成熟した感覚-運動的存在に。感覚統合にとって重要な時期。自発的運動企画、危険なチャレンジ、公園の遊具。
・様々な道具の使用
・8歳までに触覚系は完全成熟、重力と運動の感覚もほぼ完全に発達。具体的知識の獲得→その上で抽象的知識を獲得する(by ピアジェ

・こうした発達は、自然が仕組んだ通りに起こらないことがある。感覚も統合に困難をきたす子どもの組織化は援助可能。内的欲求に従う様子を観察することが援助に役立つ

ひとりごと

相変わらずすんなりとは読めない本ですが、新生児期から7歳までの感覚統合プロセスが運動と絡み合って順に積み重なっていくことが大事、ということは確認できました。
このベースがないと、型どおりに発達しづらい人への支援の話がわかりませんもんね。
へこたれずに読んでいきます。