ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの発達と感覚統合:第4章 感覚統合障害とは何か(2)

自分のために感覚統合を学ぶ

継続は力なり。
感覚統合を自分の言葉で語れるようになることを目標に今日もじわっと進みます!

子どもの発達と感覚統合

子どもの発達と感覚統合

  • 作者:A.Jean Ayres
  • 発売日: 1982/07/01
  • メディア: 単行本


第4章 感覚統合障害とは何か

第II部 感覚統合障害に入ります。
第4章の続き。次回でこの章は終われるかな。


・感覚統合障害の原因は、それへの対処法よりも、もっとわかっていない。胎児期、出生時、人間やもんと接触がない遮断された生活。施設に収容された子供に、皮膚表面への軽い圧迫という触覚、刺激を与えると与えられなかった子より発達がよかったという結果もある。ハーロウ博士の猿の実験、レビン博士のネズミの実験でも、脳の適切な発達にとって触覚刺激が必要な時期にそれが与えられないことのデメリットが報告されている。環境から遮断された犬でも同様の報告がある。
・正常な大人も、遮断室などの環境で脳が感覚刺激という栄養から遮断されると正常な知覚過程は崩壊し、これは遮断室から出た後もしばらく持続する。
・感覚統合障害児の多くははっきりした感覚遮断を経験したわけではないが、内的な感覚遮断によって引き起こされたのではないか。
・両親は罪の意識に苛まれる代わりに、子供が神経系を組織するのを助けるような何か、少なくとも子どもが自分自身に対して良い感じを持てるように助けるべきである。
・感覚統合障害でよく見られる症状は、次の5つ+α。多動性・注意散漫、行動の問題、言語発達、筋緊張と協調性、学校での学習、そして十代の問題。
・多動の多くは無目的で、両親が最初に気づく兆候。整頓が下手、忘れ物が多いなども。
・行動の問題は自分のハンディキャップにも自分を嫌って拒絶する人々にも耐えなくてはならない。自分より幼くて挑戦してこない子、自分より年上で理解してくれる子、または大人としか関わりを持たない。
話し言葉と言語は多くの感覚統合過程に依存しているのでどの面に歪みがあっても発達が遅れる傾向がある。両親は話し言葉や発音の発達の遅れに気づくことが多い。
・感覚統合障害を持つ子は筋緊張が低いことが多く、子どもを弱々しく見せる。重力に抗って直立するだけでも非常な努力を要するため、すぐ疲れる。首の筋緊張の不十分で、机に座るとき頭を手や腕の上に休めなければならない。立っている時は壁や柱に寄りかかることも。前庭・固有受容系、触覚系がよく働かないと子どもの協調性が悪い。バランスが悪い、つまずく、不器用。遊びの未成熟さは、感覚統合障害の早期徴候として非常によく見られる。積み木が積めない、おもちゃが使えない、パズルを合わせられないなど。
・学校に行って初めて、読み書き算数でつまずく子も。多大な感覚統合を必要とし、脳に非常に複雑な要求をする。感覚統合上の問題は、脳における学習過程を直接的に妨害することも、学業を妨げるような行動上の問題を起こすこともある。まだ準備の整わない幼稚園児に読みを学習させることは非生産的かつ今脳が必要としている感覚、運動活動から子供を遠ざけることになる。感覚統合障害を持つ子は、自分を取り巻く空間と上手く関われない。文字を黒板からノートに写す時も間隔がつかめず困難を感じる。
・多くの少年犯罪者は元々感覚統合障害を持ち、そのため学校でうまくいかなかった者である。ティーンエイジャーの両親から最もよく効く訴えは組織力の欠如部屋の掃除やレポートを仕上げることなど一つの仕事に集中するのが困難。まず最初に何をすればいいのか、それぞれの部分にどのくらい時間がかかるのかがわからない。中断されると何をしていたか忘れる。全く集中できない日もある。

ひとりごと

感覚を遮断されることは発達期の子供だけでなく、成人にとっても大きな影響があるというのは衝撃でした。
少年犯罪者の多くが感覚統合障害を持っている、という話で『ケーキの切れない非行少年たち』を思い出しました。