ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの発達と感覚統合:第4章 感覚統合障害とは何か(3)

自分のために感覚統合を学ぶ

継続は力なり。
今日もじわっと進みます!

子どもの発達と感覚統合

子どもの発達と感覚統合

  • 作者:A.Jean Ayres
  • 発売日: 1982/07/01
  • メディア: 単行本


第4章 感覚統合障害とは何か

第II部 感覚統合障害に入ります。
第4章の続き。今日でこの章は終わりです。

・学習能力や健康なパーソナリティ目的意識は、脳の発達と統合の結果、達し得た最高点。
・感覚統合障害児は、感覚が十分に刺激され、適度のインパルスの流れが脳に送られる部分はできている。問題はインパルスの統合にある。

・感覚統合は四つの段階に分かれている。
・第1段階は触覚:摂食と心地よさ。前庭覚と固有受容覚:姿勢、バランス、筋緊張。
・第2段階は触覚・前庭覚・固有受容覚:身体知覚と左右両側の協調、運動企画、活動レベル、 注意持続力、情緒安定性。
・第3段階は触覚・前庭覚・固有受容覚に視覚と聴覚も合わさる:発話と話し言葉、正確で細かい視知覚、目と手の協応性。
・第四段階が最終形。すべてが一緒になり、脳全体の知能をつくる。集中力、組織力、自尊心、自己抑制、自信、教科学習能力、抽象的思考・推理力、身体及び脳の両側の特殊化。小学校入学までに第4段階に達していないといけない。準備が整っていない子はわざとではないが、わざとだと悪い子扱いすると子どもは意図的に悪く振る舞うだろう。
・断片的技巧とは、基礎となる感覚統合ができていなくても限定的に昨日を果たすこと。たとえば、ピアノを弾く総合的能力はないのに特定の1曲だけは弾ける、など。感覚統合による自然な学びの方が容易。生活のストレスが脳の対処能力を越えるとき、人生の落ちこぼれになってしまう。

ひとりごと

なんとなく感覚の働きが高度になっていくイメージはありましたが、身体の感覚に視覚が組み合わさるのはだいぶん後だとか、発話や言語理解に聴覚と多量の前庭覚が関与しているというのも興味深かったです。
最後のわざとやらない子だと悪い子扱いすると意図的に悪く振る舞うようにする、は子どもの育ちに関わる大人はみんな知っておかないといけないことですね!