ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの発達と感覚統合:第5章 前庭覚の障害(2)

自分のために感覚統合を学ぶ

継続は力なり!
今日もじわじわ進みます。

子どもの発達と感覚統合

子どもの発達と感覚統合

  • 作者:A.Jean Ayres
  • 発売日: 1982/07/01
  • メディア: 単行本

…読み終えて気づきましたが、今日は火曜日。
栄養の英語本を読む日でしたね💦
間違えてこちらを読んでしまったので、明日は栄養本にします(笑)。

第5章 前庭覚の障害(2)

第II部 感覚統合障害、前庭覚第2回。
反応性の低い前庭覚について。

・学習や行動の障害になる前庭障害はおもに2つ:反応性低下と過剰反応。
・前庭系の反応はを目で見るには、回転後眼振の持続時間と規則性がわかりやすい。眼振がない~短いのは前庭系の反応低下。
・前庭系の反応低下は、読みの学習の妨げ、発話と言語の妨げとなりうる。

・前庭性-両側性障害は微細で、就学まで全く正常と考えられることもしばしばある。特別支援教育への反応は乏しいが感覚統合療法には非常に良く反応する。教科の学習のみ行うのは本末転倒。学業+感覚統合。

眼振が短い→動くものの追視や点から…へ目を移すことも困難。
・姿勢反応にも欠陥あるかも…頚・腕・背中・脚を伸展させる筋に脊髄経由で十分インパルスを送れていない。→座って頭を上げるの難しい、遊んでもすぐ疲れる。「ヒコーキ位」が数秒しか続かない。
・自転車に体重移動してうまく乗るのも困難。スポーツ等で「よくできた」という経験がほとんどない。自身や降伏も感じない。
・前庭系の反応が弱いと、ほかの子が身体の動きや遊びから得る「栄養」を獲得しない。運動を欲する内的欲求もない。膨大な量の刺激が必要→ジェットコースターやメリーゴーラウンドにずっと乗っていられる。治療では多量のブランコ遊びと回転が与えられる。ただし、血圧低下や呼吸低下による意識不明やてんかん発作に注意。

・両側性の統合が悪いと、左右を含む指示に混乱する。
・反応の低い前庭系では、脳の左右の機能の特殊化を妨害化することがある。巧緻運動を左右両方で発達させ、どちらで行うかは正中線のどちらにあるかで決まる傾向がある。両利きに見えるがどちらも特別うまいわけではない。脳でも左右の脳が特殊化せず類似したことを行う。→ことば、読み、書きの困難を引き起こすかも。

・前庭性-両側性障害のチェックリスト!!

  • 知能は高くても読み・算数の学習に苦労
  • 回転後眼振の持続時間が正常より短い
  • スポーツが不得意、楽しまない。ボール投げ・受けが困難
  • 粗大運動が不器用、転ぶこと多い、伸展保護しないこと多い
  • 補助すると「袋入りジャガイモ」のよう
  • ヒコーキ位が困難
  • 誰かが頭を回転させようとすると、頭をじっとさせておくことができない
  • 両手を同時に使えない、両脚も同時に使えない
  • 左右の混乱ときにあり
  • 逆さ文字、逆さ綴りあり
  • ストレス耐性低い
  • 自分自身をよく思っていない、うまくいっていると感じにくい

・前庭性-言語障害:感覚統合療法を受けた後話し言葉と言語の改善
・回転後眼振の検査の後話し始めた子どものエピソード!
・すべての言語障害が園庭機能障害にともなうわけではない。左軟球の言語中枢機能低下による言語障害では、感覚統合療法の効果はみられない

ひとりごと

前庭系の反応が低いとどうして言語発達が遅れるのかが初めて腑に落ちた、記念すべき日です♥
手足も左右の機能分担が行われないし、脳の左右の分業が進まないから、左=言語となっていかないということなんですね。