ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの発達と感覚統合:第7章 感覚防衛

なんとか、感覚防衛までたどり着きました

感覚統合本のひとり読書。
また間が空いてしまいましたが、なんとか再開!

子どもの発達と感覚統合

子どもの発達と感覚統合

  • 作者:A.Jean Ayres
  • 発売日: 1982/07/01
  • メディア: 単行本

今日もはりきっていきましょう!

第7章 感覚防衛

・感覚防衛とは、触覚刺激に対する拒否的・感情的な反応。微妙かつ重大な問題。感覚防衛を持つ子は多動・注意散漫が多い。感覚防衛そのものではなく、コレが引き起こす不安感情や不安による反応行動が学習を妨げる。
・本人も困惑した状態…触刺激を必要としているのに、それを調節して神経系のバランスを保つことができない。
・触覚防衛反応は社会的対人関係をも妨害する。親類・友人は接触を拒否され傷つくかも。本人の気持ちはほかの子には理解できず、友達と一緒に遊べない。たいていの子どもが喜ぶふさふさしたぬいぐるみを避ける一方、快感覚を引き起こす触刺激を多く探し求めようとする。快反応を引き起こす刺激は神経系を統合し、拒否的な反応を減少させる!

・ゆっくりした強い敦激より、すばやい軽い触刺激のほうが神経系を興奮させる傾向あり。

・動物にとっての触刺激は、環境の危険を知らせるもの。自動的に逃げたり攻撃的になったりして危険に対処してきた。「防衛的」と「弁別的」という触刺激の2様式がある。弁別的には大脳半球での複雑な処理を含む。ポケットの中の効果を手さぐりで区別するなど。
・しっかりと抑えるような圧覚刺激は不快感を引き起こす触覚系の処理過程の調整を助ける。
・脳は防衛的・弁別的様式の間の触感覚のバランスを取るため、特に前庭覚と固有受容覚を活用。
・触覚防衛のある子は、防衛的活動が過剰、弁別的活動が不十分。特に防衛的な部位は顔と口周囲。歯科治療、洗顔、洗髪なども困難。散髪前に頭皮に敦激を加えるなどの対処もできるかも。
・誰が与えた触刺激かが重要(自分・母親・他人など)。訓練する治療者が本人と信頼関係を築き嫌がられない関係性を作ることが大切。
・訓練では全身の触覚を刺激できるよう、用具をマットレスで覆ったりする。子どもが内的欲求に従って自らを刺激していくようにできるのがベスト。ブラシなどで刺激するのは難易度高い。前庭覚と触覚は互いに調整し合うので、前庭覚刺激の後にブラッシングするのもよい。

・感覚防衛の原因は解明されていない。

・触刺激に限らず、音やにおいの感覚も同様に敏感になることがある。これらの感覚刺激に反応して、そのとき同時に起きている他のことに反応していないと見極めるために注意深い観察が必要。

ひとりごと

また少し間が空いてしまいましたが、何とか復活!
感覚防衛、おもには触覚過敏の話でしたが、こんなところにも前庭覚や固有受容覚が関連しているのかとちょっと驚かされました。
触覚過敏の人には軽くサッと触れるんじゃなくその場でしっかり圧をかけるように触れたほうがいいということを再確認。相手との信頼関係を築く上で大事なポイントですね!