ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:確証のための情報確証のための情報(3)症例紹介(症例34・35)

ひとり読書会、週1で4ケース読むよりこまめに2ケースずつくらい読み進めたほうが自分が読みやすい気がしてきたので、今日も続けて読んでみます。


ひとり読書会で読んでいるのはこちらの本です。


確証のための情報(3)症例紹介(症例34・35)


・(34) S.G.:1959年12月生まれ、1973年5月に初診。彼の父親は1972年11月に私の患者となり、メガビタミン療法への反応が顕著であった。そのため、彼は息子の受診にも興味を持っていた。父親は長い間、息子を吃音を心配しており、他の子たちと関わろうとしないのでは、父親にずっとしがみついているのではと考えていた。S.G.は、パーソナルスペースの感覚がなく、他の人を邪魔せず避けることができなかった。父親は、S.G.を見ると自分の少年時代を思い出すと言った。S.G.は精神科医精神安定剤を投与されていたが、そのことでさらに悪化していた。父親の要請で、精神科医ナイアシンアミド500mg 1日3回とピリドキシン250mg 1日1回とシュガーフリー食を始めることに同意した。数ヶ月後、彼の吃音はなくなり、学校ではCとD、前年のDばかりの成績よりはるかに優れていた。S.G.の両親は、精神科医が息子の病気を自分たち親のせいにしていると感じ、私に転医したいと頼んできた。彼はまだイライラしていて、すぐに怒る状態だった。父親が数週間前に彼をビタミン剤を止めていたので、治療をしないときの彼がどのような状態なのかを知ることができた。私はナイアシンアミドを1g 1日3回に、ピリドキシンを250mg 1日2回に増やした。1973年7月27日、ジョン・ホッファーの診察では、彼が無症状の小学7年生であると判明した。父親は彼が非常に改善したと感じていた。S.G.の母親は、薬や食事療法を信じておらず、非協力的な、無気力で過敏で無口な女性であった。父親が本人のケアの全負担を負った。1973年11月13日、S.G.は錠剤を飲み込むことができないと訴えたので液剤が与えられた。彼はさらにずっと改善されていた。妹は多動だったが、あらゆるプログラムを拒否し、改善しないままであった。1973年2月のS.G.のHODスコアは合計42、知覚5、偏執症0、および抑うつ症12であった。1973年5月には3,0,0,0であった。彼の多動性スコアは1973年2月の109→1973年7月には62に減少した。


・(35) N.G.:1965年12月生まれのN.G.が初めて受診したのは1973年3月のことだった。彼には読みの問題があり、学校での進歩が遅かったでの紹介されてきた。彼は1年前までは元気だったが、彼は多動で注意散漫で発達の遅れがみられた。児童精神保健センターでは、就寝時に鎮静剤を投与され、治療目的の読書が推奨された。私は、彼の視覚的錯覚のために読むのが困難であると気づいた。単語がページ上を動き回り、互いにぶつかり合ったり線が触れ合ったりしていました。また、目が覚めても消えない恐ろしい悪夢に悩まされていた。薄暗がりの中で洋服が熊のように見え、クローゼットの扉を閉めるまで眠れなかった。彼を呼ぶ声が聞こえ、何をすべきかを指示してきた。私はナイアシンアミドピリドキシン250mgを投与した。2ヶ月後、彼は良くなり始めていた。集中力が向上し、知覚症状も問題なくなり、単語が暴れなくなったので読むこともできるようになった。彼は錠剤を飲み込むのが難しく、推奨量の2/3しか飲んでいなかった。8月27日、彼はずっと改善していたので、最初に評価を受けたクリニックで再評価を受けた。2年生を再履修する必要はなく、3年生として十分うまくやっていた。ジョン・ホッファーは彼が改善していると認めた。1973年12月24日、母親は彼が行動問題を起こしているのではないかと心配していた。錠剤が飲み込めるようになり,ナイアシンアミド1.5g 1日3回,ピリドキシン250mg 1日1回に増量し,就寝時にアミトリプチリン(トリプタノール)10mgとペルフェナジンPZC)2 mgを含む錠剤を投与した。多動性スコアは1973年3月30日の51→1973年9月27日の41まで低下した。


ひとりごと


(34)はお父さんがキーパーソンのケースだったことが特に印象的でした。

父親が精神科主治医も説得し、母親が協力を拒否するなか食事やビタミンの管理をしつつ見守っていました。父親自身がビタミンの効果を感じていること、我が子が昔の自分みたいだと感じていることなど、父親の動機づけが高かったのでしょうね。

今は110ケース読みへの気分が乗っているので、しばらく続けて読んでいきますが、ときどきは別の話題も投稿しますね。