ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:確証のための情報確証のための情報(3)症例紹介(症例48・49)

ひとり読書会こまめに2ケースシリーズ、お盆の間もずっと続けられたらいいなぁ…。


読んでいるのはこちらの本です。


確証のための情報(3)症例紹介(症例48・49)


・(48) S.K.:1961年4月生まれ。彼は緊張や不安から解放された覚えがなく、そのために激しい震えが生じ、2時間以上座っていられなかった。彼の母親は、特に大勢がいるときに悪化する彼の多動性と、5歳から記録している社会的に不適切な行動を心配していた。彼は時々化け物の悪夢を見ることがあり、目が覚めたときには、自分が起きていることに気づくまでに長い時間がかかった。また醜い音も聞こえた。大きな音が長い間彼の頭の中で反響し、彼は自分自身が考えていることが聞こえた。彼は被害妄想に陥り、誘拐されて両親が身代金の支払いを拒否する恐怖を繰り返していた。風呂に入るたびに、家が全焼するように感じていた。彼は緊張し、神経質で、しばしば自殺したいほど落ち込んでいた。彼にナイアシンアミド1gを1日1回とピリドキシン250gを1日2回、そしてシュガーフリー食を与えた。1ヶ月後、彼は改善し、神経質にならず、雑音も聞こえなくなり、被害妄想も少なくなり、友達も増え、誘拐の心配も消失した。1973年8月23日、彼は無症状だったが、学校の特別行動学級ではまだよくない行動があった。家では順調だった。ジョン・ホッファーは、学校での困難のために、彼を0001 (1) - 改善なしと評価した。ナイアシンアミドを毎日4gに増やしたら、数日後には著しい改善がみられた。彼のHODスコアもその変化を反映していた。彼のHODスコアは、1972年4月13日には合計47(知覚11 偏執的6 抑うつ6)→同年5月15日は合計52(知覚9 偏執的3 抑うつ7)→同年8月28日は合計26(知覚7 偏執的0 抑うつ4)(正常値は合計30未満、知覚・偏執的・抑うついずれも3未満)と推移し、彼の多動性スコアは1972年4月13日に97→1972年8月23日に49に減少した。


・(49) Ben.K.:1962年4月生まれのベン・K.は、1973年5月に初診した。ベンは、彼を強迫性障害と診断した児童精神科医から紹介されてきた。1968年に言語療法を受けて改善したが、1970年には強迫行為がより顕著になった。すべての行動が2回繰り返され、例えば、外を歩いていても、全く同じように歩いた後に、その足取りを辿ったりしていた。自分が問われたすべての質問を繰り返してほしがり、それをしてもらえないと非常に苦悩するようになった。最初は聞こえなかったからと言っていたが、後になって質問はちゃんと聞こえていたと認めた。とにかくそれを繰り返してもらわねばならなかったのだ。彼は明らかに舌足らずに喋り、同じ言葉を繰り返していたが、繰り返していると指摘されると恥ずかしそうだった。初診前には声が聞こえていたようだ。ナイアシンアミド1g 1日3回とピリドキシン250mg 1日2回を開始した。1ヶ月後には繰り返し行動は少し軽減していた。1973年8月31日、彼はほぼ無症状で、正常と判断された。彼には行動上の問題はなく,1973年5月10日には43点,1973年8月31日には34点と低いスコアのままであった。


ひとりごと


ナイアシンを1日4gに増やした途端、残存していた学校での行動上の問題がぐっと改善した(48)。改善していてももう一押ししたらより完璧な変化がみられるかも、という教訓が得られました。

OCDにもいつものビタミンB3・B6が著効することが示された(49)。考想化声もあったようですが、周囲を巻き込むほどの強迫症状もちゃんとビタミンによる介入で消えていくものなんですね…。