ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:確証のための情報確証のための情報(3)症例紹介(症例68・69)

今日もひとり読書会、2ケース進みます。

はりきっていきましょう!


読んでいるのはこちらの本です。


確証のための情報(3)症例紹介(症例68・69)


・(68) Ga.R. 1964年10月生まれ。彼は赤ん坊の頃に短気なかんしゃくに苦しんでいた。5歳で精神科医院に紹介され、1年間治療を受けた。彼はその後、正常に退院したが、母親は不安が強すぎると診断された。その後、彼は徐々に悪化し、母親は彼に対処することができなくなった。イライラしやすく、理屈は通らないが、学校では仲良くやっていた。頻繁に腹痛を訴えていた。私のオフィスでは、彼はとてもそわそわしていて落ち着きがなかった。ナイアシンアミド1g 1日3回、アスコルビン酸1g 1日3回、チアミン150 mg 1日3回、ピリドキシン200 mg 1日3回を投与された。2ヶ月後には改善がみられ、ほとんど腹痛もなく、自立的にもなったが、まだ母親にしがみつくことが多かった。1973年7月6日、私はB3をナイアシン1g 1日4回に変えた。8月には改善した。1973年8月30日、ナイアシンアミドに戻したが、誤って0.75g 1日1回しか服用していなかった。しかし臨床的には変わりなかった。彼の多動性スコアは1973年5月25日の77→1973年12月12日の53に減少した。


・(69) N.R.:1965年10月生まれ、N.R.の初診は1972年1月。母親は妊娠中に三日ばしかに罹っていた。N.R.は左耳が聞こえず、声や音の発信源を特定することができなかった。頻繁に腹痛、頭痛があり、夜も眠れなかった。少し多動で、癇癪を起こすことが多く、しつけにも反応しなかった。ナイアシンアミド2g 1日3回を開始した。吐気のため、3ヶ月後にビタミンを中止した。両親は変化なしと言った。1973年7月30日、彼女は0111 (3) - かなり改善、と評価された。時折、動物の幻覚を見たり声が聞こえたりした。行動スコアは1972年1月31日の57→1973年7月30日の35に減少した。


ひとりごと


(68)はナイアシンアミドナイアシンナイアシンアミドと変更のあったケース。特に嘔気などの副作用の記述もみられないのですが、変更するとき・戻すときの基準は何なのだろうと気になります。

(69)は副作用のためにナイアシンアミドを3ヶ月しか飲めなかったケース。それでも「かなり改善」の評価で、内服をやめて1年4ヶ月後の行動スコアも下がったままというのもすごいですね。