ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:確証のための情報確証のための情報(3)症例紹介(症例84・85)

今日もひとり読書会です。

110症例も残りあと30を切りました…。


読んでいるのはこちらの本です。


確証のための情報(3)症例紹介(症例84・85)


・(84) P.T. 1961年4月生まれ。彼は勉強ができず、乳児期から非常に落ち着きがなかった。1歳の時に痙攣を3回起こした。彼は学校に入るまでは普通だった。その後、学習の問題が出てきて、多くの癇癪を起こし、問題行動もあらわれた。私はナイアシンアミド1g 1日3回とピリドキシン250mg 1日2回を始めた。2ヶ月後、改善がみられた。回復を加速させるためにリタリン20mgを追加し、これで拍車がかかった。学校はもっと楽しくなった。1972年11月29日、母親は、彼が学校では非常に優秀だったが、夏の間ずっと盗みをしていたと私に言った。寝る前にイミプラミン25mgを追加した。1973年2月27日、彼の調子は良くなっていた。1973年7月24日、彼はジョン・ホッファーによって、1000、改善なしと評価されました。1974年1月13日、前年の10月にリタリンとイミプラミンを中止したと母親から報告があった。彼は着実に進歩しており、癇癪を起こすことも稀で、うまくやれるようになっていた。彼は1111 (4) - 正常と評価された。彼の多動性スコアは、1972年4月12日に93→1973年7月24日に77に減少した。


・(85)A.U. 1963年11月生まれの初診は1972年5月。彼が覚えている限り、文字と数字が裏返る視覚的な錯覚に悩まされていた。また、非常にそわそわした、落ち着きなく、過敏で、動揺しやすかった。単語がページの上で揺れ動いて互いに衝突し、数字は反転し、鉛筆は蛇のようにくねくね動いた。魚やクジラやその他モンスターの幻覚を見たり、近くに両親がいないのに自分を呼ぶ声が聞こえたり、非現実感を抱いたりしていた。1月には児童指導発達研究所の研究を受け、広範囲の治療的訓練を受けた。2ヶ月で7ヶ月分の読解力を身につけ、終了時には6歳10ヶ月レベル(暦年齢は8歳5ヶ月)になっていた。私は彼にナイアシンアミド1g 1日3回とピリドキシン250mg 1日2回を与え始めた。2ヶ月後には、はるかによく読めるようになり、もはや単語も動かなくなったが、数字はまだ裏返っていた。1972年8月21日までには、すべての知覚症状はなくなっていた。彼はよりリラックスし協調していた。1972年11月20日には、まだ読みはゆっくりで、数回モンスターも見ていた。1973年6月12日には、普通に読めでいたが、数学は遅れていて、まだBとDは反転させていた。1973年8月23日にジョン・ホーファーは彼を1, 0.5, 1 (3…点数が3項目しかなくて合計も合わないけど…)と大幅に改善したことを発見した。彼はまだ読書が難しく、他の子と関わることにいくらか問題を抱えていた。砂糖はいつも彼を悪化させた。彼は4年生に進級したが、1年遅れであった。彼の多動性スコアは1972年5月22日の45点→1972年11月20日の34点に減少し、1973年8月23日には49点に少し増加した。これらはすべて正常または正常に近いスコアである。1973年8月23日、彼の先生は母親への手紙に「A.U.は今年に入ってからずっと自信を持つようになりました。何かをしなければならないと言われると、彼はいつも『それをしなきゃいけないの?』と思っていたのが、今では何かに挑戦することに意欲的で、自分にうまくできることがいくつかあることに気付いています。活字体を書く(? printing)のと読解力が格段に向上して、本を読むのも好きになりました。知らない言葉に出合うと聞いてくるようになりました。以前は読み飛ばしていました。読解クリニックに半日通っていました。これは、彼に本当に有益な変化をもたらしました。何に対してもどんなちょっとの時間も集中するのが難しいのです。物語を声に出して読んでいると、一行ごとくらいに自分自身の話をしてくるのです。動物が大好きで、動物の話をするのが大好きです。彼はおとなしい生徒で、他のクラスの人たちととても仲良くしているようです」と書いた。そして1963年1月13日、3年生の先生は「彼は着実に進歩している」と書いた。唯一の問題は活字体を書くこと(?)で、彼はそれを難しく感じていた。


ひとりごと


(84)の「学校では非常に優秀だけど、夏の間ずっと盗みを続けていた」が個人的にはとても気になりましたが、盗癖も最終的にはおさまったのでしょうか。1111(4)だし、そうであったと思いたい…! ビタミンはアスコルビン酸抜きですが、ほぼいつもの量でしたね。

(85)に限らず、これまでページの上を単語が動くというLD的症状が何度も登場しています。ビタミンによる介入でこのケースみたいに自信を取り戻せて前向きになれたらいいですよね!