ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:確証のための情報確証のための情報(3)症例紹介(症例99・100)

今日もひとり読書会です。

ついに100ケース目に到達しました!! 残りあと10例♪


読んでいるのはこちらの本。


確証のための情報(3)症例紹介(症例99・100)


・(99) T.W.:1958年10月生まれのT.W.の初診は1972年4月。3ヶ月にわたって非常に疲れていた。朝起きるのが困難で、起きてからも疲れたままであった。彼の家庭医はナイアシンアミド1gを1日2回飲ませていたが,それは疲労感をさらに強めた。しかし両親は、彼の行動が改善すると信じていた。私はナイアシンアミド1gを1日3回に増やし、ピリドキシン250mg 1日1回を加えた。1972年5月までに彼は正常になった。1973年7月16日、彼は3ヶ月間ビタミン剤を飲んでいなかったが、順調なままだった。多動性スコアは、最悪時には59であったが、最終診察時は33に減少していた。


・(100) M.W.:1957年2月生まれのM.W.の初診は1970年12月。8歳の時、読書習慣が乏しく、まだ夜尿があったので、メンタルヘルスクリニックで診察を受けた。何度か受診した後、尿崩症は止まった。11歳の時、集中困難を理由に再び診察を受けた。1970年の初め、少量のナイアシンアミドを投与され、いくらか改善した。彼は私に会う直前、ドラムを買うために2枚の小切手を偽造していた。学校は、彼が普通級で学ぶのは無理と判断し、情緒障害児のための特別クラスへ通うよう勧めた。彼には幻視があり、集中が難しく、神経質になっていた。クリニックでは統合失調症と診断された。父親は慢性統合失調症だった。ナイアシンアミドを1g 1日3回に増量し、アスコルビン酸を1g 1日3回とステラジン(トリフルオベラジン:定型抗精神病薬)を6mg 1日1回を加えた。一ヶ月後には良くなっていた。学校の成績はB平均になった。1972年1月5日、両親は、紹介医がナイアシンアミドを1g 1日1回に減らして再発し始めたと私に語った。その後、1971年に両親が用量を増やし、再び改善した。1972年4月25日には彼は正常になり、学校の成績は改善し続けた。私はピリドキシン250mg1日2回を追加し、精神安定剤を減薬した。1973年4月25日、彼は正常になった。1973年6月はよい1ヶ月ではなかった。彼は落ち込み、イライラし、勉強ができず、失敗することを心配していた。私はステラジンを再開した。1973年6月27日、彼はほとんど正常だった。1973年9月19日、彼は両親からお金を盗んで捕まった。1973年8月15日、彼は0, 0.5, 0, 1 (1.5) 、改善と評価された。1972年12月3日に彼は改善した。彼にはまだ幻視があり、あまりにも思考が遅く、学校でいくつかの問題を抱えており、12年生を修了するために特別クラスへ行くことを希望していた。彼はビタミン剤の効果を気に入っていたが、精神安定剤は好きではなかった。多動性スコアは1970年12月24日の75→1972年1月5日には35まで減少した。1973年8月15日、彼のHODのスコアはどれも高すぎであった。


ひとりごと

(99)はナイアシンアミド2gではかえって疲労感が増し、3gへ増量+ピリドキシン250mg追加でこんなにも調子よくなるものなんですね。容量不足で諦めないよう気をつけなければ…。

(100)は小切手偽造や金銭持ち出しのある、素行のよくないケース。抗精神病薬も使われていますが、「ビタミンは好きだけど精神安定薬は好きじゃなかった」という本人の感想が心に残ります。