ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

年度が変わり、環境が変わり、いきなり学んだこと。

慌ただしい毎日、一旦終了

年度末のバタバタがピタリと止まり、穏やかな新年度がやって来ました。

今年度は今年度で既にコロナ禍の幕開けだしこれからもいろいろありそうですが、変化を楽しみながら過ごしていきたいと思います。

新年度最初の、今日の3つの学び

自分の知る狭い世界の常識がすべてだと思ってはならない

ITと子どもは、気づかないうちにものすごく進歩・成長しているもの。めちゃくちゃ頼りになる!!

初めは無理と思ったチャレンジも、繰り返すうちに病みつきになる。やってみるべし!

子どもの注意や行動の障害を治す:治療(3):ビタミンと薬物療法(薬による治療・前半)

火曜日恒例、ひとり読書会。
今日は薬による治療の話です。


読んでいるのは、引き続きこちらの本。

薬による治療(前半)

・脳機能障害や行動障害を持つ子どもの分子栄養学的治療における3つの主要なビタミン(B3、B6、C) "トキシモレキュラー "治療に使用される薬とは違っては毒性がなく、副作用も比較的ない。 オズモンド博士とリムランド博士によって作成された次の 分子栄養療法 (ビタミン)と薬物療法の比較表は、子どもの治療に用いられるビタミンと薬の相対的な毒性の概要をより詳細に示している。 オズモンド博士がリムランド博士が行った病気の子どもへの大規模メガビタミン研究を読んだとき、このデータは薬やビタミンの毒性に対する有効性を検証するのに役立つと感じた。 有効性とは治療によって改善することであり、毒性は状態を悪化させること。 相対的有効性とは、有効性と毒性の比率である。 したがって、ある薬が治療された人口の50%に役立ち、10%の人をを悪化させた場合、相対的効力比(RE)は5になる。 もし、それが25%効いて25%悪化したらREは1 であり、10%効いて50%悪化したとしたらREは0.20になる。 よい薬は明らかに高いRE比を持っている。 これらの推定値を作るために、少し~かなり悪化した子どもの数よりも、確実に改善のあった子どもの数を加えてみた。


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・ビタミンプログラムの方がはREが非常に高く、効果が高いことは明らか。最も優れた薬剤であるメラリルのREは1.84だった。

・メラリルとビタミン剤は別として、よい変化と悪い変化は同程度みられる。メラリルでは、2:1の確率で改善する。 私は統計学者ではないが、レオニード・ゴールドスタインが教えてくれたロナルド・フィッシャー卿のルールに従う。 メラリルの方が薬を組み合わせて飲むよりもよさそうだ。 しかしビタミン剤の場合、確実に助けられる確率はメラリルの3倍であるが、悪化する確率は25分の1以下である。 確実に助けられた/悪化したという数字に注目してみると、メラリルとビタミン剤というふたつのカテゴリーの治療では、私の計算によるとビタミン剤のほうがメラリルの12倍の効果がある。確実に助けられる可能性が約3倍高く、害を及ぼす可能性が4倍低いからだ。 これまでにどのような薬がこのように評価されてきたのかは知らないが、こうした観点から投薬やその他の医療処置を検討することは可能であり、薬や他の治療効果については全く異なる光を投げかけてくれるかもしれないと思う。

・ビタミンと薬物療法の相対的な利点とリスクについて患者や親に知らせるために、私がここで提案した方法よりもエレガントで効率的な方法があると思うが、私の知る限りまだ一般的には使われていないので、それに取って代わられるまで私はこの方法を代用する。薬や手術、ヘルスケアの特徴や改善の程度を測定するとなると長年にわたってとても忍耐を要する。私の経験では、医学的な問題がこのような方法で示されることはほとんどない。 もしそうなれば、利用可能なさまざまな治療法の中から選別し、医師たち、患者たち、そしてその家族が最善の治療方針を現実的に描くことが容易になるかもしれない。また、このアプローチは現在の自然史では十分に調査されていない病気に私たちの注意をひきつけ、治療を妨げるよりむしろ助ける変化について合理的で筋の通った決定を下すことができるようになるだろう。

・リムランドのデータは、薬物療法に失敗した子どもたちという特別なグループのもので、大集団のデータとは違うとか追跡期間の長さが不十分だとかと主張する人たちもいるかもしれない。だがむしろ、一般的な薬物療法に反応しなかった多くの子どもたちにごくわずかな副作用しか出さずに改善をもたらしたのだから、メガビタミンによるアプローチは優れているという結論が強化されたのだ。もしもすべての子どもたちがメガビタミンを開始したら、治療成績はさらに高くなることが大いに予想される。さらに、ほとんどの子どもたちが自閉症統合失調症であり、すべての子どもたちのうちで最も重症で治療困難だったのである。

ひとりごと

通常の薬物療法を毒扱いする(「トキシ」モレキュラーと呼ぶ)筆者の毒舌っぷりにドキドキ。
でも今回の表のように有効ケースと悪化ケースの比を出すと、本当に安全で効果が高い治療法は何なのかを客観的に見ることができますね。興味深かったです♪

時間のない私が気づいた、今日の3つの学び。

じ、時間がない…

毎日、飛ぶように時間が過ぎていきます。
自分が何をしているのか、次に何をしないといけなかったか、瞬間瞬間に消え去ってしまう感じ。

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思い出そうとしていると、何もしていないと認識されるのか、必ず誰かに声を掛けられる(笑)。

いや、わかるんです。
話しかけられる必然性はちゃんと理解しているし、それはもったいないくらいありがたいことなのもわかってる。

でも、思い出しかけたことが振り出しに戻るんですよね(苦笑)。

そんな今日も、学ぶことがたくさんありました。

本日の3つの学び

子どもは、周囲の大人が思う以上にドラスティックに成長していく

(「僕なんて一生働けない」と言ってた青年が、人生初のアルバイトを始めました。バイト先の候補もも自分で探して複数箇所の面接を受けに行ったなんて、1年前の彼からは想像もつかなかったことです。)

私の患者さんたちは、みんな凄い人たちだ!

(自活して自分で学費も稼いで専門学校を卒業した人と、障害者枠なのにひとりで面接に臨んでフルタイム就労できた人がそれぞれ今日晴れやかな顔で報告してくれました。もう泣きそう。)

余裕がなくなると、ひとりごとが増える

(今日一日、ずーっとひとりごとを言ってました。自覚はあるんです。ただ止められないだけで。でも、ひとりごとは2階の脳を上手く使うためには必要なんですよね!)

今年度最後の日曜日に学んだ3つのこと。

今日も、予定いっぱいの1日。

昨日は昨日で慌ただしい1日だったのですが、今日もまた本来の予定以上に忙しく過ぎていきました。

うんうん、忙しかったーと無事に過ぎた1日を振り返れるのは幸せなことだ、と昨日ぺこぱさんに教わったばかりでしたね。

それでは、今日の3つの学びを振り返ってみます。

本日の学び3つ。

身体を動かすと気分が晴れる♪

(昨日子どもたちが卓球する姿を見て密かに羨ましく思っていたら、今日息子が卓球に行こうと誘ってくれました。以心伝心、ありがとう♪)

ゼロから物事を始めるのは大変、でも仲間がいると楽しくなる!

(不安はいっぱいあるけれど、それを率直に話し合えることは本当にありがたいです。)

情けは人の為ならず

(息子やその友達のために協力しているうちに、自分自身もたくさん恩恵を受けていることに気づきます。感謝!)

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さっそく私を慰めてくれた強力アイテムとは?

楽しみにしていたアイテム、到着♪

いろんなことが同時進行でパニックになりそうな毎日ですが、そんなところに楽しみにしていたアイテムが届きました。

それはこちら⤵︎ ︎

日めくり 毎日ぺこぱ ([実用品])

日めくり 毎日ぺこぱ ([実用品])

  • 作者:ぺこぱ
  • 発売日: 2020/03/27
  • メディア: カレンダー

先日も記事に書きましたが、ぺこぱさん大好きなんです。

さっそく慰められる。

届くやいなや今日の日付28日をめくってみたら…?

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あぁ、ホントにそうだ。

なんでこんな忙しいの、もうっ?! って言えてる時点で元気に生きてるってこと。

実際、今日はいろんな用事が重なった一日でしたが、感謝したくなる嬉しいことがたくさんあったんですよね。

ありがたさを噛みしめながら、今日は手短な更新で終えてもう寝ようと思います。

おやすみなさい。

歯切れの悪い卒業報告:彼女に何が起こったか?【後編】

卒業文集用作文の波紋

前回の記事は、なぜか浮かない表情の親子のお話。

今日はこの後編です。

私に作文を見せてくださったあと、「お母さんはあなたの夢は素晴らしいと思うし、応援してる。でも先生とわざわざ喧嘩したいわけじゃないし、たぶん先生はお金儲けの話が好きじゃないんだろうから、作文からそこは削除してみる?」と親子で話し、書き直して提出したとのことでした。

今回は再提出不要。

それはよかったのですが、次の事件が卒業式で起こるとは…。

卒業式で省略されなかったもの

各校で列席者人数を絞り、内容も短縮されたり割愛されたりとコンパクトになった卒業式。

その中で削られなかったのが、校長先生の祝辞。

校長先生は壇上からこう仰ったのだそうです。

「卒業文集では、君たちに将来の夢を書いてもらった。それは、夢を持って大人になってほしいから。ただ、お金を儲けることを目指してはいけない。人のため、世の中のために尽す人になってほしい」

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Mちゃんは私に言いました。
「校長先生はこの話のあいだずっと私の方を見て喋ってて…きっと私の作文を読んだんじゃないかな。それか、担任の先生が『私のクラスのMがこんなこと書いたんです』って校長先生にわざわざ言ったのかも」と。

もちろん、同じ会場でこの祝辞を聞いていらしたお母さんも「まさか校長先生までそんなことをわざわざ祝辞でおっしゃるとは…」と驚かれたそうです。

ちょっと待って! お金儲けはそんなにいけないこと?

この話をお聞きして、あぁこれが「お金は汚い」という学校教育なのか…と思い知らされたのでした。

文集は一生残るものだからその内容に担任がセンシティブになるのはわからなくはないのです(それでも、そのときの素直な気持ちをそのまま書かせてもらえる方が子どもは幸せなんじゃないか、とは思います)。

でも、校長先生が祝辞を通じてまでも子どもたちに伝えたいメッセージが「お金儲けは悪」「お金は汚い」だという現実。

どうしてダメなんですか? と尋ねてみたくなります。

そりゃ、詐欺をはたらいたり窃盗や強盗に走るのは絶対よくないこと。
でも、自分の提供するサービスで誰かに喜んでもらってその対価としてお金を得ることの何がいけないというのでしょうか。

いっぱい稼いで、家族や誰かの幸せのために使えばいいんじゃないですか?
スポーツ選手や俳優さんが被災地支援で寄付なさったというニュースはちょくちょく報道されますし、私程度の収入でももちろんニュースになるような金額には到底及ばないけど子どもの学習支援や貧困支援に取り組む団体さんなどに定期的に寄付してますよ?

診察室でそんな話をするうちに「わかった。やっぱり私、いっぱい稼いでみんなを幸せにする!」と明るい表情になってくれたMちゃん。うん、よかった!

我が子含め、お金を儲けることへのネガティブイメージに染まりそうな子どもたちには「学校で習うお金の話を鵜呑みにしなくていいよ」と伝えてあげたいな…と密かに思っています。

歯切れの悪い卒業報告:彼女に何が起こったか?【前編】

歯切れの悪い報告を聞く

今日もまた、学年が終わった報告をしてくださるお子さんや親御さんとお会いして。

その中で、小学校の卒業式の様子を聞かせてくださったお子さんと親御さんがいました。

「卒業式は、ええ、まぁ、無事に終わりました…」とお母さん。

あれ、お母さんなんだか歯切れが悪い感じですね?

「うん、まあ終わったよね」

えっ、あなたまでそのテンション??

きっかけは、卒業文集。

卒業式の話をする前に、数回前の彼女の診察でのできごとを少しご紹介しておきます。

彼女が通った小学校では卒業文集を「将来の夢」というテーマで書く、と全員統一して決められていて。

ファッションに興味のある彼女は「自分のブランドを立ち上げて、服やアクセサリーをたくさん売ってお金をいっぱい稼いで、自社ビルを建ててその最上階に家族と住む」といった感じの夢を素直に書いたのだそう。

ああ、普段から大人っぽい彼女にピッタリの素敵な夢!!
自分のやりたいことが具体的だし、叶えたい目標もリアルだし、12歳の今すでにこんなにもしっかりイメージできていたら、これから大人になるまでに何を身につけていくべきか、何に一生懸命になるべきかがくっきり浮かび上がってきますよね。

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担任の先生に提出したら…

この作文は授業中に書いて全員が先生に提出するものでした。

みんなの作文と一緒に先生のもとへ集められ、しばらくして返却されたところ、担任の先生の赤文字コメントが。

「あなたはお金をいっぱい儲けるために仕事をするのですか? この作文を読んでおうちの方はどう思うでしょうか。もう一度考えてみてください。」

え? えええっ?

お母さんも彼女から作文と担任のコメントを見せられて困惑状態に陥ったそうで、わざわざ親子で私にこの作文を見せてくださったのでした。

「この子のありのままの夢を書いているのが親の私にはわかるし、応援してやりたいと思ったのですが、子どもがお金を稼ぎたいという夢を語るのはいけないことなのでしょうか?」とお母さん。

お、お母さん。
そしてMちゃん。
困惑する気持ち、お察しします。


…長くなったので、次回に続きます。