たった5回の無念! 「ヤキトリ」ロスな話。
テレビドラマはあまり観なくなってしまった中、学校が舞台のものにはついつい目が行ってしまいます。
大ヒットドラマ、日曜劇場『ドラゴン桜』と時を同じくしてそっと放送されていたドラマにググっとのめり込んで観ていたのは、NHKドラマ『ひきこもり先生』。
佐藤二朗さん演じる元ひきこもりの焼き鳥屋店主がひょんなことから中学校の適応指導教室の先生になる、というストーリー。
もちろんフィクションなので、さすがにそんな露骨なことはないんじゃない?と言いたくなるような場面もなくはないのだけど、日頃学校に通いづらい子どもたちにお話をいろいろ聞かせてもらっている身としては、なかなか生々しい現実感も滲み出ているように感じられました。
学内で心を開いて話ができる先生があんまりいない。
適応指導教室に思い切って行ってみたら気まずい相手と顔を合わせてしまって、お互いに安心して通えなくなる。
校長先生の方針に先生方も子どもたちも右往左往させられる。
そんなふうに普段診察室で聞く話とイメージが重なる残念なシーンもたくさんありました。
でも、「適応指導教室の先生は信頼できる。ボクのことをわかってくれてる。だからあの部屋なら登校できる」と話してくれる子どもたちがいるのも事実。
彼らの学校にはもしかしたらヤキトリみたいな先生がいてくれるのかな、と思ったら、すごく頼もしくありがたく思えます。
鈴木保奈美さん演じる磯崎SSWが学校という組織の中で教員とはまた違うニュートラルなスタンスでアクションを起こすのも見ていてとても心地よかったです。
まさに「子どもたちのための学校」を目指す大人の姿。
私には子どもたちの話からしか学校の内部の様子は窺えないので、学校の先生方の目でこのドラマを鑑賞するとまた違って見えるのかもしれません。
全5話で終わってしまったのが本当に悲しい。
その後の展開が気になる登場人物が何人もいるので、もっともっと続けてほしいなぁ…と密かに願っています。
今のところ再放送の予定はなさそうですが、見逃した方は機会があったらぜひ観ていただきたいです!