ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

こどもの身体と心を育ててくれる児童デイサービスを見てきました。

今年最初の講演の機会に,大阪からお招きしてご一緒させていただいた森嶋勉先生。

nao-chun.hatenablog.jp

今度は私が大阪へ呼んでいただいて,もりしー先生が運営していらっしゃる児童デイサービス「チットチャット・スポーツ塾」へお邪魔してきました。

スタッフのみなさんに発達障害のお話をさせていただくのが今回の私のミッションだったのですが,私にとっては書籍「伸ばそう! コミュニケーション力」で垣間見ることのできたチットチャット・スポーツ塾さんの実際の様子を見せていただけるというのがとてもとても楽しみでした。

スタッフのみなさんは,スポーツ指導の経験のある方,学校現場を経験された方,発達障害支援に携わっていらした方などそれぞれにさまざまな経歴をお持ちのようでしたが,共通しているのはみなさんとてもイキイキしていらっしゃること。

運動音痴な私がこれまであまり接する機会のなかった体育会系の雰囲気を持っておられる方も多くて,本来ならちょっと私の苦手なタイプなはず(笑)なのですが,意外なほど苦手意識を感じさせられなかったのです。

やっぱりそれはみなさんがエネルギッシュでありながらも,「もっとうまくなれ! もっと強くなれ! そんなんじゃまだ努力が足りないぞ!」と威圧されそうなオーラは出ていないからなんだろうな,と後で思い至りました。

日々のお仕事の中で人付き合いも運動することも決して得意ではないこどもたちと接しながら,「身体を動かすのは気持ちいいんだよ♪ 一緒に楽しもう!」と迎え入れる雰囲気をいつも出していらっしゃるんでしょうね。

チットチャット・スポーツ塾に所属するこどもたちが,私と同じようにとても安心して心から楽しみに通ってきているということは,こどもたちの実際の姿を見て実感できました。

未就学児でも思春期を迎えたようなお子さんでも,元気に挨拶しながら入ってきて,いそいそと着替えて活動開始!

たくさんの遊びの中から好きなものを選ばせてもらったり,ときには初めての活動にもチャレンジしてみたり。遊び慣れた活動でも少し新しい要素が加えられたり,難易度が上がったり。

こどもがスタッフと一緒に遊ぶ様子をみていると,こどもたちは身体を動かして遊びを楽しむのと同時に,相手に合わせてみたり突っぱねても受け入れてもらったりを繰り返して「折り合いをつける」経験もまた積み重ねているのだな,ということがよくわかりました。

思うようにいかないことがあっても絶望しなくていい,安心できる環境と信頼できる相手。 こどもたちの身体と心を着実に育ててくれる場がこうして作られているのは本当に素晴らしいな…。

今度は私自身が関わる仕事の中にチットチャット・スポーツ塾で学ばせていただいたものを活かして,こどもたちに還元していきたいなと思いました。

お忙しい中たくさんお話や見学をさせてくださった,もりしー先生はじめスタッフのみなさん,そして大事なデイサービスの時間への侵入を許してくださったお子さんや親御さん方,どうもありがとうございました。