参観日に見つけた,先生の地味でパワフルな魔法!
先日,息子がいる教室へ今年度初の参観日に出掛けてきました。
担任の先生は今年度の異動で新たに息子の通う小学校にいらした先生。
始業式から数日しか経っていない時点での参観。どんな先生が,こどもたちをどんなふうに教えてくださっているのか…保護者としてはドキドキの日です。
(考えてみれば,赴任数日でこどもたちの保護者に授業風景を見られるなんて,先生にしてもドキドキでしょうけどね…。)
はたして,授業はものすごく順調に行われていました…これまでの参観で一度も見たことがない光景!!
先生の怒鳴り声など一切なく,でもほどよくクラスを引き締め,こどもたちの注意をうまく引きつけながら進行する授業。
こどもたちにはほどよい緊張感と授業の内容を楽しむ雰囲気があって。この緊張は「参観だから」というよそ行き感はなくて,日頃からこのくらいには集中が保てているんだろうなというのが伝わってきました。
45分間の授業をみていていちばん強く感じたのは,先生の授業運びの巧みさ。
こどもたちがざわついている間,黙って教壇に立って待っておられるのです。こどもたちが自発的に気づいて全員そろって静かに前を向くのを見届けて,「はい,それじゃあ…」と授業が流れ始めます。
ほかにも,全員で教科書を読む場面では,前もって「本を読むときはどんな姿勢で読むとよいか」をこどもたちに答えさせて板書しておき,読み始める前に全員がその態勢になるまでやっぱり待っていらっしゃる。気づきにくい子のために,ほんのちょっと黒板でコンコンとノック音を立てて注目を引きつけるだけ。
授業全体を通して,「しーずーかーに!」だとか「早く教科書を持ちなさい!」だとか,先生の不機嫌な注意がガミガミと教室に響き渡るようなことはなかったのです。
それでもこどもたちはちゃんと全員着座して授業に参加できているし,授業の中で楽しいことがあれば笑いも起こる…。
要所要所で先生がさりげなくこどもたちをリードしているからこそ,適度にやわらかく適度に締まりのある授業が成り立っているんだな,と感じながら参観していました。
そして,これまで2列ずつお隣とくっつける形で並べられていた机は,「どうしても隣が気になって集中しづらくなるから」と先生が敢えて1列ずつの配置にしたことを参観後に説明してくださいました。
なるほど…。
そして,先生にとっては自然なスタイルなのかもしれませんが,教壇上に教卓を置いておられないことにもちょっとびっくり。
こどもたちとの間に余分な壁がなく先生の全身がこどもたちから見やすいことも,先生の無言のメッセージを伝わりやすくするのに役立っているのかもしれません。
こどもたちがスムーズに授業に参加できるために,日頃から先生の指示や思いの伝えかたを工夫してくださったり,教室の物理的な環境まで整えてくださったり。そういうひとつひとつがとてもありがたく感じられました。
この先生に1年間担任していただける息子たちは幸せだな。
安心して今年度のこどもたちの成長を見届けたいと思います。