ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

軽音楽部はあるのに…

学校に足が向きにくいこどもたちと診察室で話をすると,「学校の中で苦手なこと」をよく教えてくれます。

苦手な友達,苦手な先生,苦手な科目,…。

そのなかに体育や運動にまつわるものが登場することが少なくありません。

たとえば,運動会の練習がキライ,持久走がつらい,ドッジボールが怖い,…。

跳び箱もロクに跳べず,逆上がりもできず,とにかく運動が苦手だった私には,「うんうん,わかる!」と本気で頷ける話題ばかり。

そんな運動ネタで盛り上がるなか,とても印象的な問題提起をしてくれた子がいました。

「身体を動かすことはキライじゃないけど,学校の体育とか運動部の練習はキツすぎて。音楽には『軽音楽部』とかあるのに,どうして『軽運動部』ってないんですか? ゆるーく運動したいと思うひとたちはどうすればいいんですか?」

と。

うーん,それってとっても鋭い指摘だよね…と思わず唸ってしまいました。

体育の授業では決められた課題がこなせないと成績が悪くなるし,部活ではレギュラー目指してガシガシ練習しないと落ちこぼれる…。

運動が得意なわけじゃないけど楽しく身体を動かしたい,やんわり体力をつけたい,と願う学齢期のこどもたちが参加できる場ってなかなかないですよね。

(大学生や大人になれば,趣味のサークル参加やジム通いなどの選択も出てくるのですが…。)

「軽運動難民」なこどもたちに,私は今のところ共感するしかできていないのがもどかしいところです。