バランスボールを椅子として使うことの効果は…
最近,自宅に自分用のバランスボールを買いました。
普段の椅子として活用する企業があるなどと話題になったこともありましたよね。
果たして発達の偏りを持つこどもたちがバランスボールを椅子として使う効果は医学的にどのように検証されているんだろう? ちょっと文献を調べてみました。
ADHDの児童3人を対象とした研究では「バランスボールを椅子にしたら着座行動も読みやすい字を書くことも増えた」とか,就学前の自閉症スペクトラム児4人を対象に「着座行動もクラス活動への参加も改善した」というデータが同じグループからそれぞれ2003年,2004年に発表されています。
別の研究者が2010年に公立小の自閉症スペクトラム児6人を対象に改めて検証した論文が出ていましたが,こちらは「こどもの感覚情報処理の特性によって結果はまちまち」という結論。
前庭覚・固有受容覚刺激(スピード感や力の入り具合)をたくさん味わいたい子はバランスボールを使うほうが落ち着いて座っていられたようですが,活動への参加については「バランスボールを使う使わない以前に活動内容そのものの影響が大きいのではないか」との考察…そりゃそうかも(笑)。
バランスボールに座れば誰でも何でも成果が上がるわけじゃない,でも椅子として心地よく使える子もいる,といった結論でしょうか…。
こどもの発達にはたらきかけるための診察室でのバランスボールの効果的な活用法,もっといろいろ探ってみたいと思っています。