ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

脳トレよりもしておきたい,大切なこととは?

じつは,川島隆太先生の本を見つけたときに思い出したことがありました。

いつだったか数名の小児科医や児童精神科医とお話しさせていただいていたときに川島先生のことが話題になったのです。

川島先生は脳を鍛えるゲームソフトを監修されたけれど,ご自分のお子さんにはゲームをさせていないらしい,と…。

…脳を鍛えられるゲームを大ヒットさせておきながら,我が子には使わせないってどういうこと? と不思議に思ったのですが,「自分の脳を自分で育てる」を読むなかで先生のお考えが見えたように感じた箇所がありました。

川島先生ご自身は小学校の頃,家の近くに川があって魚を捕ったり泳いだりして過ごされていたそう。

それ以降も,木の実や蜂の幼虫(!)をとって食べたり,田んぼでどじょうを捕まえたり,稲刈り後には草野球したり,自然が多い環境のなかで異年齢のこどもたちと一緒に遊んでこられたとのこと。

こうしたいろいろな状況で,友達と一緒に考えて,工夫して,身体を動かして遊ぶ,ということが学習で育ててきた脳のネットワークを活用する上で重要だと先生は考えていらっしゃるよう。

「コンピュータゲームのように,与えられたものを,ひとりでするような遊びではだめです。いろいろな人とたくさん遊んで,いろいろな経験を積み重ねることが大切なのです。」(P.82)。

こども時代にはひとり黙々とゲームに向き合うよりもっと大切なことがある,ということなのでしょうね。